【パパのための「半育休」ガイド】育休中も少しだけ働いて稼ぐ──育児も仕事も大切にしたい人のための選択肢

【パパのための「半育休」ガイド】育休中も少しだけ働いて稼ぐ──育児も仕事も大切にしたい人のための選択肢

育休

目次[非表示]

  1. 半育休とは?条件ってあるの?メリットは?
    1. 【半育休のメリット①】仕事の引き継ぎや職場復帰がスムーズに
    2. 【半育休のメリット②】育児休業給付金と給与を同時に得て、収入減を抑えられる
  2. 育児休業給付金がもらえない?半育休と認められないケースに要注意
    1. ①10日間&80時間以上働いてはいけない
    2. ②恒常的・定期的に働いてはいけない
    3. ③在宅勤務制度や短時間勤務制度は対象外
  3. 公務員も半育休を取得できるの?
  4. 半育休を取得中に子どもを保育園に預けられる?
  5. 半育休の手続きは?
  6. 半育休は育児や働き方の幅が広がる柔軟な選択肢
2021年6月に育児・介護休業法が改正され、子どもの出生後8週間は育休の申請期限を休業2週間前までに短縮するなど、男性の育休取得を促進する柔軟な制度が2022年4月から段階的に施行されることになります。育児参加意欲の高いパパたちは、こうした制度改正を好意的にとらえており、「男性版産休・育休応援プロジェクト」が0歳児の子を持つパパ590名に行った調査(※1)でも、法改正によって制度が整備された後、赤ちゃんが生まれた場合に育休や半育休を取得したいと答えた割合は全体の74.6%でした。
※1:「6月20日は父の日 "パパの育児参加状況" 実態調査」

その一方、「育休を取得しづらい職場の雰囲気」や「所得が下がることへの心配」など、かねてから男性の育休取得に立ちはだかる“環境の壁”が解消されているとはまだまだ言いがたく、育休は取りたいけど現実的には厳しいかも…と感じている方も多いのではないでしょうか。

育休を取るか取らないか──そんな二極化したジレンマを抱えるパパたちに、“0か100か”ではないもう1つの選択肢「半育休」を紹介したいと思います。

半育休とは?条件ってあるの?メリットは?

「半育休」とは法律上の正式な言葉ではなく、育児休業の期間中に一時的・臨時的に働いて収入を得られる、育児・介護休業法で認められた特例的な措置のこと。パパ・ママ問わずその対象となり活用できます。

育児・介護休業法が定める育休は、子の養育を行うために休業期間中の労働義務が免除される制度で、原則的に育休中の就労は想定されていません。ただし、子の養育をする必要がない期間に限り、労使の話し合い(事業主の一方的な指示ではなく、労働者が自ら事業主の求めに応じて合意すること)によって一時的・臨時的に就労できます(※2)。
※2:厚生労働省「育児休業中の就労について」

そして次の条件を満たす場合に限って、育休中に就労しても、雇用保険から支払われる育児休業給付金を満額受給することができます。

①就労が月10日(10日を超える場合は80時間)以下
②恒常的・定期的な就労ではない一時的・臨時的就労であること
「半育休」を活用することによって、次のようなメリットが期待できます。

【半育休のメリット①】仕事の引き継ぎや職場復帰がスムーズに

男性が育休取得をためらう大きな原因に、仕事の引き継ぎの煩雑さや、育休後にスムーズに職場復帰できるかへの不安があります。その点、必要に応じて一時的・臨時的に就労できれば、急なトラブル対応、引き継ぎが不十分だった同僚へのサポート、どうしても引き継げなかった仕事の進行なども、曜日や時間に縛られずフレキシブルに行うことが可能。前述のようなハードル解消につながるだけでなく、復帰後も仕事の勘が取り戻しやすく、これまで「仕事から離れるなんて数日が限度」とためらっていた人でも「少しでも働けるのであれば数週間休んでも大丈夫」と安心できそうですね。

【半育休のメリット②】育児休業給付金と給与を同時に得て、収入減を抑えられる

前項の条件①②を満たしていれば育休給付金と働いた分の給与が同時にもらうことができ、育休期間中の収入減が心配な人も「それほど収入が減らないなら育休を取ろうかな」と思えるはず。ちなみに、育休期間中は社会保険料が免除されますが、半育休も同様に免除対象となります

ただし、給付金を満額受給するには、給付金と育休中の労働賃金の合計額を育休前の給与収入の80%に収めることが原則(※3)。つまり、育休給付金が「賃金月額×67%(6カ月経過後は50%)」なので、育休中の労働賃金を通常給与の13%(6カ月経過後は30%)に収める必要があり、この割合を超えると給付金支給額が減額されます。
※3:育児休業期間中に就業した場合の育児休業給付金の支給について

育児休業給付金がもらえない?半育休と認められないケースに要注意

このように法律が定める範囲で“育休を取りながら少し働く”ことが可能ですが、次のようなケースは半育休と認められないのでご注意ください。

①10日間&80時間以上働いてはいけない

就業日数が10日を超え、かつ就業時間が80時間を超えた場合、育休中の“一時的・臨時的な就労”とみなされず、育休給付金は支給されません。

②恒常的・定期的に働いてはいけない

半育休とはあくまで“育休のオプション”で、仕事を休んで育児や家事を行うことが優先事項。あらかじめ決められた時間・ペース(例えば1日4時間で月20日間)で勤務する場合や、毎週定められた曜日または時間帯に勤務する場合は育児休業をしている状態にあたらず、「一時的・臨時的就労」とみなされません。

③在宅勤務制度や短時間勤務制度は対象外

在宅勤務制度(テレワーク)や短時間勤務制度を利用した場合、前項と同じ理由で恒常的・定期的な就労とみなされ、育児休業をしている状態と認められません(※4)。つまり、半育休にもあたらないため、社会保険料の免除の対象になりません。
※4:厚生労働省「育児休業中の就労について」

公務員も半育休を取得できるの?

育休は会社員だけでなく国家・地方公務員いずれも取得でき、育休期間中は共済から育児休業手当金が支給されます。ただし公務員の育休に関する法律(※5)では、育休を取った職員の業務処理が困難な場合「育休期間を限度とした任期付採用または臨時的任用」を行うよう明記されていますが、育休取得者の一時的・臨時的な就労を認める特例処置については明記されていません

半育休は“労働者”と“事業主”の間で話し合って決める特例処置であり、公務員は半育休の対象外となります(なお、育児短時間勤務は認められていて、勤務時間に応じた給与が支払われます)。
※5:国家公務員の育児休業等に関する法律地方公務員の育児休業等に関する法律

半育休を取得中に子どもを保育園に預けられる?

半育休は育休制度の枠組みに含まれるもので、保育園の利用条件についても原則的には育休と同じ。育休中は「育児をするために休業している」ので原則的には保育園入園の対象となりませんが、勤務復帰日の1カ月前からは保育園に入園できる対象となります。なお、上の子どもがすでに在園している場合は、次の「保育を必要とする事由」を満たしていれば継続利用が可能です(※6)。
※6:内閣府「よくわかる「子ども・子育て支援新制度」」
・就労(フルタイムのほか、パートタイム、夜間、居宅内の労働など)
・妊娠、出産
・保護者の疾病、障害
・同居又は長期入院等している親族の介護・看護
・災害復旧
・求職活動(起業準備を含む)
・就学(職業訓練校等における職業訓練を含む)
・虐待やDVのおそれがあること
・育児休業取得中に、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること
・その他、上記に類する状態として市町村が認める場合

半育休の手続きは?

まずは通常の育休と同じく勤務先に育休取得の申請を行います。会社で半育休の前例がない場合は細かい手続きや条件はケースバイケースになるので、上司や人事担当者と「半育休と認められる働き方」や「一時的・臨時的就労の賃金計算」について確認・合意しておくとよいでしょう。ただし、あらかじめ育休開始前から「毎週月曜日に5時間働く」など前もって就業予定を決めると、恒常的・定期的な就労にあたり半育休とみなされないので、就業日や時間はそのつど話し合う必要があります

半育休は育児や働き方の幅が広がる柔軟な選択肢

育休を取りながら働くとはいえ、「半育休」はあくまで“育休”という枠組みありき。休業(育児)が主で仕事は従で、給付金を満額受給するには働く時間も限られます。それでも、育休を取るか取らないかという“0か100か”ではない、一人ひとりの仕事や家庭の事情に合わせられる柔軟な選択肢があるのはパパにとって心強い!

かけがえのない乳幼児期の育児にしっかり関わりながら、キャリアの断絶や収入減などの不安解消にもつながる「半育休」を活用すれば、育休を取得しようと思う男性がもっと増えるかもしれませんね。

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