
目的にあった洗濯洗剤の選び方とは? 汚れや洗濯機の種類別にご紹介!
はじめまして。三度の飯よりもシミ抜きが大好きな洗濯ハカセこと、神崎と申します。今回は洗濯にとっても重要な洗濯洗剤の選び方を洗濯のプロの視点からレクチャーいたします!
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洗濯洗剤の役割を知っておこう
ご自宅で洗濯洗剤は何を使ってますか?
昔ながらの粉タイプ?最新式の液体タイプ?または最近誕生した第三の洗剤でしょうか。価格、汚れ落ちのイメージ、使い勝手…さまざまな理由で選んでいると思いますが、今回は、洗濯のプロはどういった所を見て洗濯洗剤を選んでいるのか?その選び方について紹介したいと思います。
さて、選び方を早速といきたいところですが、その前に質問があります。洗濯をする際、衣類についた汚れを一番落としているのは何だか知ってますか?
それは…水です!
洗剤じゃないの?って思われるかもしれませんが、汚れを繊維から押し流し、汚れを溶かして一緒に排水する水こそが一番汚れを落としている存在だったのです。
じゃあ洗剤は何なの?入れなくていいの?と思われるかもしれませんがそうではありません。洗濯洗剤は、水が汚れを流すための能力を高めて、汚れ落ちが良くなるように洗浄力をアップさせるのが洗剤の役割なのです。
RPG風に言うと、汚れが敵モンスターとしたら、水が主人公で、洗濯洗剤は使用する武器です。主人公が戦う時、素手でもモンスターを倒すことはできますが、苦戦してしまいます。でも、いい武器を使用すればモンスターを簡単にやっつけることができる。水と洗濯洗剤の関係はそんな関係にあると言えます。
まずは敵を知る──汚れの正体とは
じゃあ、なぜ水だけで汚れが落ちないかと言いますと、汚れの種類は大きく分けると「水溶性の汚れ」「油性の汚れ」「粒子の汚れ」に分けることができます。
水溶性の汚れ :コーヒーやジュースや汗など
油性の汚れ :ハンバーグやミートソースパスタや皮脂など
粒子の汚れ :泥や砂埃など
水は、水溶性の汚れに関しては水だけの力でも十分押し流すことができるので、洗剤なしでもある程度はいけますが、問題は、油性の汚れ。小学生の理科の実験で習ったように、水と油は反発してしまいます。なので、油性の汚れが付着していた場合、油分がバリアとなって水が持つ洗浄力を弱めてしまうため、水だけではすべての汚れを落とすことができません。
そこで、洗濯洗剤の主成分である界面活性剤が油分の汚れを浮かせる。油分を界面活性剤が包み込むことで水に溶けやすくなるので、水の力で汚れを押し流すことができるようになるのです。
答えは1つではない!目的別の洗濯洗剤の選び方
さて、汚れのメカニズムについて軽く理解してもらったところで、洗濯洗剤の選び方に関してプロが注目しているポイントを紹介いたします。
洗濯機の種類は昔ながらのタイプ?最新式?
最新式の洗濯機になるほど、エコ機能が進化しており、節水で水をあまり使わないようになってきています。その場合、粉洗剤は溶けるまでに時間を要するため、最新式の洗濯機では、粉洗剤が能力を最大限活かせるだけの水が足りないまま洗濯の行程が終わってしまうなど、粉洗剤には分が悪くなっているように思います。そんな最新型の洗濯機に向いているのが、液体の洗濯洗剤です。
液体は、粉タイプに比べて水に溶けやすく、節水でも十分に効果が発揮できるよう界面活性剤の配合や入れ方を工夫されているので、近年購入した横型や斜めドラム式、縦型でも節水タイプの上位機種は液体の洗濯洗剤の方が向いている傾向にあります。
汚れ落としを考えるならアルカリ性の洗濯洗剤
洗濯洗剤の成分表記を見てみると、「酸性」「中性」「弱アルカリ性」の3種類の性質に分かれます。汚れに強いのは、圧倒的にアルカリ性です。粉洗剤には、過炭酸ナトリウムと呼ばれる、酸素系漂白剤が入っており水質をアルカリ性に変える効果を持っています。
そのため、汚れを落とす力で液体と粉はどちらが強いか?と問われると、粉が圧倒的に有利です。最近は液体の洗濯洗剤も弱アルカリ性の洗剤が多く出てきており、粉の優位性が若干失われつつありますが、男性特有の汗臭さなどを洗い流す時には未だ粉洗剤が有利であるのは間違いないです。
洗う衣類によって使う洗濯洗剤を分けるのも効果的
衣類の中でも下着と上着では、汚れ方が異なります。人から出る皮脂などの汚れは下着に多く付着するので、より皮脂などの油性の汚れに強力な弱アルカリ性の粉の洗濯洗剤に軍配が上がります。ファストファッションなどカラフルで濃い色の衣類を洗う場合は、より色が流れ出る可能性が少ない液体の洗濯洗剤で洗うのがふさわしかったりします。
洗濯洗剤も節約したい?
できるだけ汚れを落とせる安価な洗濯洗剤といえば粉洗剤が圧倒的。粉、液体、第三の洗剤と後者になるにつれてコストパフォーマンスが悪くなっていくので、財布の中と相談しながら洗濯洗剤を買うのも一つのポイントではないでしょうか。
+α.洗濯洗剤以外の家庭にあるものや、他のものを駆使して洗う。
洗濯洗剤の能力は確かに心強いですが、べっとりとこびりついた汚れや、完全に脂分ばかりの汚れだと、汚れの種類にもよりますが効果が弱いケースがあります。その際は、食器用洗剤や重曹といった油分に特化した材料を部分的に塗り足すことで、洗濯した際の汚れ落ちをさらに高めることにつながります。
洗濯洗剤選びの4つのポイントとプラスαを並べてみましたが、いかがでしたでしょうか?
個人的な実験では、第三の洗濯洗剤もさらに改良を進められ、消臭効果や汚れ落ちなどが粉洗剤に匹敵するくらい格段に良くなってきており、また近々、洗濯洗剤の汚れ落ち勢力図が変わってくるのではないかなと思っています。汚れに対してどんどん進化している洗濯用洗剤。紹介したポイントを押さえて、自分にふさわしい洗濯洗剤をぜひ選んでくださいね。
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