
「作る」のではなく「育む」!? パパ不在時に育まれる本当の居場所とは
家を居場所にしたいのなら「デスク」を捨ててしまおう!と、前回お話しました。
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家庭がアウェーになっていると、どうしてもホームが欲しくなるし、自分自身の存在を主張するための場所も欲しくなる。
でも、そうやって使用目的があいまいなままスペースだけ確保すると、そこが家族からの逃げ場所(気持ち・身体共に)になってしまいます。
そして多くの場合、その逃げ場所は家族から疎まれ、「(口にはしないけど)無駄なスペース・カオスの原因の1つ」などと思われてしまう。
そんなスペースの象徴であるパパのデスクを捨ててしまったら、今度こそ本当にパパの居場所はなくなってしまうかのように思えます。
ではデスクを捨てたパパにとって、どうやったら家族の中で「居場所」が生まれるのかを考えてみましょう。
パパの「不在」に家族が気づく、それが家族の中での居場所
まず結論からお話すると、「家族が集う場所に、パパの不在を感じさせる場所(物)」を持つことが大切です。
パパがいないことで、宿主をなくして少し寂しげに映るダイニングチェア。
いつもパパが背中にしてもたれかかっている、パパのためのクッション。
パパが生活の中に溶け込み、自分の家を自分の居場所にするというのは、そうした場所が自然と家族の共通認識の中にあることなのです。
居場所は自分で作るんじゃない。周りが認識する事で生まれ、育まれる
他にもパパのパーソナルチェア、ベッドスペース、コーヒーカップや茶碗など、家族との生活の中で「ここはパパの場所(物)」と家族が思える場所はありますか?
居場所とは、自分で決める自分だけの場所のことではなく、周りの人が認識して初めて生まれるもの。
そうして生まれた自分の場所は、ちゃんと本人が存在することで少しずつ育まれていくのです。その結果、本人がいる時だけでなく、不在時に周りに少しだけ寂しさを感じさせる「パパの定番」になっていきます。
だから、家族が集うスペースではない所にパパの逃げ場所があると、パパの不在には誰も気がつきません。それが、家族との生活の中にパパの居場所がないということにつながるのです。
居場所は暮らしのリズムの中で育まれる
居場所は、その人の家庭での役割を象徴し、その人がいることで安心感をもたらしてくれます。
ママが料理をいつも作ってくれる家庭では、誰も立っていないキッチンはママの不在を感じさせるでしょう。
夜中にかすかに聞こえる洗濯機の音がママの所在を感じさせて、なぜか安心させられるということもあるかもしれません。
家事に限らなくても、食後やお風呂上がりの夜の時間にいつも定位置でノートPCに向かうパパの姿や、お気に入りのオモチャをリビングの一番真ん中に広げる子どもの姿など。いつも当たり前にある光景が、その人の居場所を育んでくれるのです。
暮らしのリズムとは「いつもの安心感」です。家にいる時間が短いパパだと、パパの存在がむしろ不協和音のようになってしまい、わが家の暮らしのリズムにスムーズに入ることができないケースもあるでしょう。
それでも、例えば土日や休日はいつも食卓のこの場所にパパがいる。朝食はいつもパパがパンを焼く。パパが寝かしつけの時はいつも〇〇する。パパは家に帰ってきたらいつもカバンを片づける。どんなことでもいいので生活にパターンを作ることで「パパのいる生活」にリズムが生まれます。
パパのいる生活にいつもの安心感が育まれると、自然と家庭にパパの居場所が根づきます。そして、パパがいる時よりも不在の時に家族がふと寂しさを感じるようになったら、家庭を居場所にできている何よりの証拠でしょう。
最後に
今回は、パパの居場所は「周りの認識」によって生まれることをお話しました。
そのための1つの方法として、ダイニングチェアやソファのクッションなど家族の集う場所にいつもの定位置を育むことはとても有効です。
でも家を居場所にするためには、そういった家具をピックアップすることだけが必要なのではありません。家庭に対してどれだけオーナーシップを持っているか。そして居場所と時間の関係を知ることも役に立つでしょう。
そのことについては、また次回以降にお話したいと思います。
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