
イメージはコワーキングスペース。「家庭内シェアオフィス」化計画のすすめ
家事シェア研究家でNPO法人tadaima!の代表、三木です。
子どもが大きくなってくると、子ども部屋を作ったり、物が増えてくる。その結果、だんだん自分のための場所というのがなくなってきてしまいます。
仕事をしたり、本を読んだり、勉強をしたり。
なければないで困らないかもしれないけれど、やっぱり欲しいと思うのが自分のための場所。そうは言っても、なかなか自分だけのスペースの確保は難しいものです。
そこで今回は、そんなご家庭におすすめの家庭内シェアオフィスのレイアウトを、実際の間取り図と共にご紹介します。
▼前回の記事はこちら
家庭内シェアオフィスって?
その名の通り、家庭内にシェアオフィススペースを作ってしまうことです。
「デスクを捨てよう」の記事でもお話したように、デスクスペースというのはかなりの場所を取ってしまう。そこで、デスクを「個人の物」とせず「家族共有の物」とするのが家庭内シェアオフィスです。
「一つのデスクを家族みんなで使うなんて、使いづらいよ」と思われた方は、もしかしたら一人用のデスクを使い回すようなイメージを持たれたのかもしれません。
いえいえ。そうではなく、ちゃんと使いやすくするためのコツがあるので、ぜひご覧ください。
イメージはコワーキングスペース
自由に出入りができるスペースにいくつかデスクがあり、好きな席に座って作業をする。時には隣の人と会話をしたり、ちょっと疲れたらお茶をしたり。
そんないろんな人たちが集まり、作業をするのがコワーキングスペース。
これを家に置き換えてみると、子どもが宿題をするかたわらで、パパやママがちょっと仕事をしていたり、家計簿をつけていたり。あるいは、キャリアアップのための勉強をするのもいいでしょう。
子どもたちの勉強道具や教科書はもちろん、仕事のためのPCや資料、ビジネス書にもすぐにアクセスできる。それが家庭内シェアオフィスなのです。
家庭内シェアオフィスをそれっぽくさせる3つのルール
どんな空間づくりにおいても「それっぽさ」ってとても大切。
そこにいると気持ちが上がるとか、やる気になるというのは、その「場」が持つ力でもあります。
その「それっぽさ」と使いやすさを醸し出すために必要なのが、この3つのルール。
①フリーアドレスにしよう!
できれば一人用のデスクを置くのではなくて、2~3人が同時に使えるスペースが欲しい。それぞれ個人の専用スペースを割り振ってしまうと、結局デスクがたくさん必要になってしまい、置き場所がなくなりあきらめることになります。
そこで、デスクはフリーアドレスとして、誰もが自由に使える空間にしてしまうのです。
②個人ロッカーをつくろう!
これは別に大きなロッカーである必要はありません。カラーボックス一段分(40cm☓40cm)くらいでも充分。読みかけの資料や参考書、ノートパソコンなどを入れておけるようにします。
文房具などは専用スペースを本棚に設けて、共有使用にすると個人スペースが少なくて済みます。
③使い終わったらデスクの上は片づけよう!
個人用スペースだと、ついついそのまま資料を広げっぱなしにしてしまいがち。でもフリーアドレスの場合は、次に使う人のことを考えて一回一回きちんと片づけるように。それがキレイに心地よく使い続けるためのコツでもあるわけです。
物置化している部屋をシェアオフィスに
子育て中のご家庭でとにかく多いのが、洋室の物置化。
よくあるマンションタイプの間取りだと、玄関を入ってすぐ右手や左手にある洋室。広い方は寝室になっているけど、もう一方は物置状態。
いつかは子ども部屋にしようと思っているのだけど、このままじゃ子ども部屋にもできそうにもないお部屋。
この物置化してしまったお部屋の中でさらによくあるのが、「なんとなく書斎化」している状態です。
こうしたお部屋がある場合はチャンス! この部屋を家庭内シェアオフィスにしてしまいましょう。
空間にゆとりがあるなら、アイランド型
アイランド型 6畳図面
大きめのテーブルを囲うように使うアイランド型の配置。本棚の中に個人ロッカーの区画をつくり、共有部分も設けます。
このタイプの配置をされる方が、お客様の中でも多いです。
シェアオフィスに適したテーブルの選び方
2~4人が座れるサイズのテーブルとは、おおよそ横幅は160cm~180 cmほど。奥行きは85 cm~90 cmあれば、向かい合わせに座っても作業しやすいです。
ちょっと大きめのダイニングテーブルをイメージしてください。
もう一つ、テーブル選びのポイントがあります。
それは、できるだけ幕板がないものを選ぶことです。
幕板とは、大きめのテーブルによく付いている、天板の下の支え板のこと。足を組むとよくぶつかる部分です。
この幕板があると、長時間座って姿勢が崩れたりしてきた時に脚が当たって、座りづらかったりイライラの原因になったりします。
床座もできるカウンター型
カウンター型 図面
壁面がたっぷりと使える、または部屋が細長いなどの場合は、カウンター型もおすすめです。
アイランド型はデスクの大きさプラス人が周りに座るためのスペースが必要になりますが、カウンター型ならデスクの奥行きも45cmほどと薄くてよく、人が座るスペースも片側だけでいいので省スペースで済みます。
椅子に座るタイプでもいいですが、小さいお子様がいらっしゃる場合などは床座できる高さにすると、椅子もいらないのでさらに省スペースです。
一部屋なんて空けられない!リビング・ダイニング兼用型
LD一体型 図面
LD一体型カウンター 図面
ダイニングテーブルを活用してつくるケースも多々あります。
この場合は、テーブルの近くに本棚などの収納スペースの確保が重要になります。食事とワークのスイッチができるだけスムーズにできるようにするためです。
リビング学習なんかの場合も同じです。ただダイニングテーブルで勉強をするだけだと、どうしてもテーブルの上が散らかったままになってしまうので、道具をさっとしまえる場所を準備しておきましょう。
さいごに
家庭の中に個人だけのスペースを確保するのが難しくても、シェアする感覚を取り入れれば、省スペースで空間づくりができるものです。
ぜひ、工夫をしてみてください!