
増税目前!見直したい出費は「食費」「携帯代」「公共料金」──今すぐできる増税対策の節約術
2019年10月からいよいよ消費税が10%に!
8%からわずか2%のアップとはいえ、1カ月の生活費が10万円とすると、消費増税による毎月の負担増は2000円。少なからず家計に影響を与えることが予想されます。
収入が変わらないまま税金が増えるのであれば、毎月の出費の見直しによる対策が不可欠。
実際に、OCNモバイルが全国20〜50代の働く男女に行った「増税対策に関する意識調査」でも、半数近くの47.8%が「出費を見直したい」と回答。ちなみに「2014年に消費税が5%から8%にアップした際に出費を見直した」という人は28.3%だそうで、増税対策への意識がより高まっていることが伺えます。
※OCN モバイル ONE調べ
そこで今回は、同調査を通じて明らかとなった「増税前の出費見直し」にまつわる意向と実態、さらに節約アドバイザーが解説する「増税対策に有効な節約術」をご紹介します。
約半数が「携帯代を見直したい」と回答。でも実態は…
前述の質問で「出費を見直したい」と答えた人たちに具体的に見直したい出費を聞いたところ、「食費」(62.4%)「携帯代(通信費・機種・プラン含む)」(47.0%)「公共料金」(30.3%)が上位にランクイン。
※OCN モバイル ONE調べ
さらに興味深いのは、職業が経営者・役員の人は「携帯代(通信費・機種・プラン含む)」を見直したいという回答が75.0%とトップになったこと。経営層は携帯料金を意識している人が非常に多いことが判明しました。
※OCN モバイル ONE調べ
一方、携帯代を見直したいと思っているけど見直せていない人たちにその理由を尋ねたところ、「調べるのが面倒くさい」(43.0%)、「仕組みがわからない(難しそう)」「現状より安いプランを知らない(最適なプランがわからない)」(共に33.3%)がトップ3に。
見直し意向を具体的な行動に移せていない理由として、携帯電話の料金プランが難解だと感じる人が多いことが伺えます。
※OCN モバイル ONE調べ
現在、大手携帯電話各社・格安スマートフォン各社がさまざまなプランを打ち出しているものの、何をポイントに比較すべきかといった判断基準が不明瞭なため「調べるのが面倒くさい」「料金プランが難解だ」と心理的ハードルになっているのではないでしょうか。
専門家が直伝!増税前にできる「携帯代」の節約術
今回の調査から明らかとなった増税前の出費見直し志向を踏まえ、節約アドバイザーの丸山晴美さんが家計に有効な節約術を解説してくれました。
■増税前にやっておくべき節約術の基本ポイント
軽減税率の対象となる飲食料品や定期購読契約の新聞以外、増税後はほぼすべてのものが消費税率10%になります。
仮に食費以外の生活費に10万円使っていた場合、増税前は8000円が消費税でしたが、増税後は10000円になり、2000円の負担増となります。その分、所得が増えれば問題ありませんが、この2000円をどこから捻出することができるかを考えることが大切です。
おすすめは、買い物をした時にもらうレシートを1週間分とっておき、「必要だったものには○」「買い方によっては節約できるものには△」「買わなくてもよかったものには×」をつけること。×の合計金額に4週分を掛けると、1カ月分の大体のムダ遣い金額が分かります。
レシートを見ながら、どこでどのようなムダ遣いをしているのか気づくことができれば、習慣的に行っているお店へは意識的に行かない(買わない)ようにするだけでも節約になります。
また、家計全体のお金の流れを書き出すことで、お金の優先順位をつけて不要なものは解約し、以降の料金がかからないようにすることもできるでしょう。
■今すぐできる「携帯代」の節約術
携帯代などの通信費は毎月かかる固定費。食費のように毎日コツコツとやりくりするのではなく、一度見直しをするとその月以降も節約効果が続くことが特徴です。
まずは「家計に占める通信費の割合」を割り出して見ましょう。手取り収入の10%を超えていたら要注意。見直すことで大きく節約できる可能性があります。
通信費の見直しの最も簡単な方法としては、既存の料金プランを見直すこと。不要な有料オプションに加入していないかなどのチェックをしましょう。料金プランは、利用状況によっては変更しない方が良い場合もあるので、必ずシミュレーションしましょう。
また、毎月のパケットの利用状況を確認して、容量を適正なプランに変更することで節約できることもあります。さらに、1カ月だけ無料で使えるアプリやサービスを契約してそのまま解約し忘れてないかもチェックしましょう。
こうした見直しは、窓口に行かなくてもインターネット上でも気軽にできますよ。
■「携帯代」を大幅に節約するなら格安SIM・格安スマホ
より大きく通信費を節約をしたい場合は、格安SIMや格安スマホを選択肢に入れましょう。
大手キャリアと比べて分かりにくいと考えられがちですが、料金プランはシンプルであることがほとんど。一人でも家族みんなで加入しても、そのメリットを感じることができるでしょう。
電話番号はMNPで今まで使っていたものがそのまま利用でき、端末がどのキャリアでも使えるようになるSIMロック解除をすれば、あとは端末のSIMカードを差し替えるだけ。携帯のデータを移し替えるといった面倒な作業も必要ありません。
また、年々高額化している端末代も家計を悩ませる一因となっていますが、実はスマホ端末は機種変更で使わなくなったとしても再利用することが可能。
例えば、パパが買い替えて使わなくなったスマホを、ママや子どものスマホとして再利用することで、端末代の節約だけではなく資源の節約にもつながります。
ちなみに格安SIMを扱う事業者によっては、1契約で複数枚のSIMを持つことが可能。おさがりスマホとSIMの追加を組み合わせると、1台1台契約するよりも大きく通信費を節約することができますよ。
■格安SIM・格安スマホの賢い選び方
どの事業者でも同じことが言えるのですが、まず料金プランはシンプルで分かりやすいものを選びましょう。例えば、契約1年目は大幅に安くても2年目以降の料金が高くなるプランもあるので、トータルで見た料金プランもしっかり見極める必要があります。
また、ご自身のサービスの利用状況に応じて選ぶのもいいでしょう。
もし音楽ストリーミングなどを使う方であれば、サービス利用時にかかるパケットをカウントしない「カウントフリー」を提供しているところもありますよ。逆に普段パケットをあまり使わない方なら、家族とのパケットシェアや余ったパケットを繰り越しできる事業者を選ぶのも有効でしょう。
出費見直し意向が高い「携帯代」を中心に、増税前にできる節約術をご紹介しました。
毎日の節約志向も大切ですが、あまり負担にならず節約効果も高いのは、やっぱり固定費の削減。その一方で固定費は、毎月習慣的に(かつ自動引き落としで)払っているから、つい節約意識が回らなくなりがちですよね。
消費税が10%にアップするこの機会にぜひ、「携帯代」をはじめとする固定費やそれらにまつわる契約内容を見直してみてはいかがでしょうか。
<専門家プロフィール>
節約アドバイザー 丸山晴美さん
旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年に節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなど様々なメディアで活動中。
【調査概要】
調査名 :増税対策に関する意識調査
調査対象:全国の20〜59歳の労働従事者 合計600名
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査時期:2019年7月26日〜2019年7月28日