
取り扱いは慎重に!一眼カメラのお手入れ術
日々の生活用品や趣味のこだわりアイテムなど、大切なモノを長く愛用し続けるために必要な“お手入れ”術を、各アイテムの取り扱いを熟知した専門家たちに解説していただく「こだわり品のお手入れ術」。
第9回のテーマは「カメラ」。フォトグラファーの瀬川陣市さんに、春のイベントやレジャーで何かと使う機会が多いカメラのメンテナンス方法について解説いただきます。
ボディやレンズのホコリはブロアーで吹き飛ばす
日ごろ大事に使っているカメラも時にはお手入れが必要です。しかし、精密機器でもあるカメラのメンテナンスはどのように行っていいものなのか、最初はその方法も分からないものです。
そこでビギナーでもできるカメラのお手入れ方法をご紹介しましょう。
カメラにとって大敵なものの一つがホコリです。
砂埃や繊維から出るものなど私たちの身の回りにはホコリが常に舞っています。当然その中で使用するカメラにも自然とホコリは付着してしまうものです。
カメラについたホコリを取り除くには、ブロアーと呼ばれるものを使います。
ブロアーとは、ゴム製で膨らんでいる部分を握ることで風を送り出すもので、精密機器用のクリーニング用品です。最近では100円ショップでも売られているのを見かけます。
レンズ表面やカメラボディの細部にたまったホコリをブロアーの風で吹き払ってください。何回か風を吹きかけることで大まかなホコリは取り除かれるはずです。
ブロアーだけでホコリや汚れのすべてが取れるわけではないので、ここでは目に見えるホコリを取り除ければ大丈夫です。
ただし、一眼カメラの交換レンズを取り外してカメラボディ内部にブロアーを使うときは注意が必要です。
過度にボディ内部に風を当て続けると、ブロアーの風でホコリなどをボディの中に押し入れてしまう結果になりかねません。
ボディ内へブロアーを使うときは最小限の風力で使用します。無理にボディ内にブロアーで風を吹き付けるのは避けたほうがいいでしょう。
クリーニングティッシュで汚れを拭き取る
ブロアーでは取り除けないボディやレンズ表面に付着した汚れは、カメラ専用のクリーニングティッシュで拭き取ります。
クリーニングティッシュはいくつかのタイプがあり、クリーニング溶液が染み込ませてあるウェットタイプとドライな状態のドライティッシュのタイプに大別されます。
使いやすいのはウェットタイプですが、大きな汚れなどはクリーニング溶液とドライティッシュを使いクリーニングするのが効果的です。
ここからは、クリーニング溶液とドライティシュを使ったクリーニング方法を見ていきます。
ドライクリーニングティッシュは、何十枚かの束になっています。その中から1枚を取ります。
レンズフィルターのような大きな表面には直接クリーニング溶液を落とし、カメラボディなど細部に使う場合はクリーニングティッシュに溶液を染み込ませます。
直接溶液を落とす場合には、溶液を機材内部に浸透させないように注意しましょう。
溶液をクリーニングティッシュに染み込ませながら汚れを吹き取ります。拭き取る側の表面に傷をつけないようにやさしく拭き取るのがコツです。
ティッシュを折りたたんで使い、何回かに分けて溶液の跡が残らないように拭き取れれば完了です。
交換レンズは、取り付け口側のレンズ面とマウントの金属部分もクリーニングしておきます。金属部分は綿棒を使ってクリーニングする方法でもいいでしょう。
カメラ内部のクリーニングはメーカーに依頼しよう
一眼カメラのなかでもミラーレス機は、交換レンズを取り外すとすぐに画像センサー部分(撮像素子)があらわに。画像センサーの上にホコリがつくと、それがそのまま画像にも影となって現れます。
この画像センサーのクリーニングには、機種によってはカメラ内で細かな振動を与えてセンサークリーニングする機能を持つものもあります。ただこの機能だけでは取り除けない汚れが付く場合があります。
画像センサーをクリーニングするための道具も販売はされています。しかし、画像センサーのクリーニングはできればメーカーに依頼することをおすすめします。
それは、画像センサーは画像を記録するセンシティブなパーツであり、少しでも傷をつけてしまうとそのカメラの致命傷になりかねないからです。
レンズ内に湿気などが原因でカビが生えることもありますが、これも画像センサーのときと同様で機材内部のメンテナンスはメーカーに依頼したほうが無難です。カメラボディ、レンズとも製品内部のクリーニング等は我流で行ってしまうと故障などの原因にもつながりかねません。
各カメラメーカーでは修理やメンテンナンスを請け負うサービスセンターを設けています。サービスセンターを通してメンテナンスの受付方法などを案内してくれるはずですので一度尋ねてみてください。
カメラのお手入れは自分で行える部分とメーカーに依頼するものを選別すると効率よくメンテナンスができるはずです。適度にカメラもクリーニングしてあげると長く使えることでしょう。