
【理学療法士パパが解説】我が子に自転車の乗り方を教えるコツとは?
育児
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なかなか難しい「自転車教育」
パパが先生役となって我が子に何かを教える最初のイベントといえば、みなさん思い浮かべるのは「自転車の乗り方」ではないでしょうか。
筆者も幼い頃、自分の父親に自転車の後ろを持ってもらい「手離さないでね!」と頼みながら一緒に練習した思い出があります。
今でも休みの日になると公園で、パパが自転車の乗り方を教えている場面をよく目にしますよね。仕事柄、お子さんの運動遊びに関わることが多い私は「どんなふうに教えているのかな?」とつい横目で観察してしまうのですが、「我が子のために」と熱が入るあまり、極端な教え方になっているケースが多いようです。
例えば…
・熱血派パパ
指導するうちに感情がたかぶってしまい、転ぶ・ぶつかるなど失敗したときに声を荒げて責めるパパ
・理論派パパ
「右足がしっかり踏み込めてないから、もう少し膝を外に開いて」など動作をすべて理屈で説明するパパ
・慎重派パパ
「うちの子は怖がりだから」と、いつまでも自転車を後ろから支えて一緒に走り続けるパパ
胸に手を当てて考えてみると自分も…と思い当たる節がある方も少なくないでしょう。
自転車の乗り方の指導=自転車教育は意外と難しいものです。
ではここで、2本の動画を見比べてみてください。我が家の長女(5歳)が自転車の練習をしている動画です。1本目は、補助輪を外して練習し始めた時の動画です。
筆者も幼い頃、自分の父親に自転車の後ろを持ってもらい「手離さないでね!」と頼みながら一緒に練習した思い出があります。
今でも休みの日になると公園で、パパが自転車の乗り方を教えている場面をよく目にしますよね。仕事柄、お子さんの運動遊びに関わることが多い私は「どんなふうに教えているのかな?」とつい横目で観察してしまうのですが、「我が子のために」と熱が入るあまり、極端な教え方になっているケースが多いようです。
例えば…
・熱血派パパ
指導するうちに感情がたかぶってしまい、転ぶ・ぶつかるなど失敗したときに声を荒げて責めるパパ
・理論派パパ
「右足がしっかり踏み込めてないから、もう少し膝を外に開いて」など動作をすべて理屈で説明するパパ
・慎重派パパ
「うちの子は怖がりだから」と、いつまでも自転車を後ろから支えて一緒に走り続けるパパ
胸に手を当てて考えてみると自分も…と思い当たる節がある方も少なくないでしょう。
自転車の乗り方の指導=自転車教育は意外と難しいものです。
ではここで、2本の動画を見比べてみてください。我が家の長女(5歳)が自転車の練習をしている動画です。1本目は、補助輪を外して練習し始めた時の動画です。
自転車の練習法(before)
出典: YouTube
まだ両足をペダルに乗せた状態でバランスをとることができず、常に片足が地面に着いている状態ですね。
そしてこちらが、3週間後です。
そしてこちらが、3週間後です。
自転車の練習法(after)
出典: YouTube
まだ少し肩に力が入っていてぎこちなさはありますが、ペダルを漕ぎながらうまくバランスをとることができていますよね。「自転車に乗れるようになった」といっていいレベルだと思いませんか?
実は「自転車の運転にはどんな身体の動きが必要なのか」「運動を学習するとはどういうものなのか」という視点から、いくつかのポイントを意識して指導したことで、このように3週間でうまく乗りこなせるようになったんです。
今回は、運動学習の専門家である理学療法士の筆者が、我が子に自転車の乗り方をうまく教えるコツをまとめてみました。
実は「自転車の運転にはどんな身体の動きが必要なのか」「運動を学習するとはどういうものなのか」という視点から、いくつかのポイントを意識して指導したことで、このように3週間でうまく乗りこなせるようになったんです。
今回は、運動学習の専門家である理学療法士の筆者が、我が子に自転車の乗り方をうまく教えるコツをまとめてみました。
自転車の運転に必要な能力とは?
自転車の運転とひとくちにいっても、それができるためにはいろいろな要素がありますが、その中でも特に重要と思われる点を挙げてみます。
・バランス能力(地面に足が着いていなくても倒れずに前進できる)
・筋力(ペダルを回転させる、座った姿勢を保つ、ブレーキをかける)
・協応性(右足と左足、目と手、目と足など身体の複数の器官や部位をタイミングよく働かせる)
・全身耐久性(ペダルを漕ぎ続ける)
・ボディイメージ(周囲の環境と自分の身体の関係性をイメージする)
実はこうした能力は、ふだんの生活や遊びの中で身体をしっかり動かすことで自然と身についていくものです。ですから不得意なポイントがある場合は日常の過ごし方や遊び方を少し見直してみるのもよいかもしれません。
■自転車の運転に役立つ運動遊びの具体例
・バランスをとりにくい
→前庭覚(身体の揺れや傾き、スピード)を刺激するトランポリンやブランコといった遊びを多めに取り入れる
・ペダルをこぐ力が弱い
→階段の上り下りなど、普段の生活の中で下半身の筋肉を使う場面を増やす
・ハンドルを切るタイミングが遅い
→お手玉・キャッチボールなど、目と手の協応性を高める遊びを取り入れる
・耐久性が低く疲れやすい
→毎日お散歩で一定の距離を歩く
・障害物にぶつかりやすい
→クライミングウォール、ジャングルジムなど環境に合わせて自分の身体の動きを調整して動かす遊び(ボディイメージを形成する遊び)を増やす
ひたすら自転車に乗る時間を増やして練習をする、というのも確かに一つの方法です。しかし運動能力の発達のアンバランスさが原因になっている場合は、このようにやや弱いポイントを遊びの中で伸ばして全体の運動機能を底上げしていく方が、自転車の運転だけでなく将来的にいろいろなスポーツに取り組む上でも役立ってくるでしょう。
・バランス能力(地面に足が着いていなくても倒れずに前進できる)
・筋力(ペダルを回転させる、座った姿勢を保つ、ブレーキをかける)
・協応性(右足と左足、目と手、目と足など身体の複数の器官や部位をタイミングよく働かせる)
・全身耐久性(ペダルを漕ぎ続ける)
・ボディイメージ(周囲の環境と自分の身体の関係性をイメージする)
実はこうした能力は、ふだんの生活や遊びの中で身体をしっかり動かすことで自然と身についていくものです。ですから不得意なポイントがある場合は日常の過ごし方や遊び方を少し見直してみるのもよいかもしれません。
■自転車の運転に役立つ運動遊びの具体例
・バランスをとりにくい
→前庭覚(身体の揺れや傾き、スピード)を刺激するトランポリンやブランコといった遊びを多めに取り入れる
・ペダルをこぐ力が弱い
→階段の上り下りなど、普段の生活の中で下半身の筋肉を使う場面を増やす
・ハンドルを切るタイミングが遅い
→お手玉・キャッチボールなど、目と手の協応性を高める遊びを取り入れる
・耐久性が低く疲れやすい
→毎日お散歩で一定の距離を歩く
・障害物にぶつかりやすい
→クライミングウォール、ジャングルジムなど環境に合わせて自分の身体の動きを調整して動かす遊び(ボディイメージを形成する遊び)を増やす
ひたすら自転車に乗る時間を増やして練習をする、というのも確かに一つの方法です。しかし運動能力の発達のアンバランスさが原因になっている場合は、このようにやや弱いポイントを遊びの中で伸ばして全体の運動機能を底上げしていく方が、自転車の運転だけでなく将来的にいろいろなスポーツに取り組む上でも役立ってくるでしょう。