【助産師が解説】赤ちゃんが泣く理由と対処法。“赤ちゃんのトリセツ”はパパママがつくるもの

【助産師が解説】赤ちゃんが泣く理由と対処法。“赤ちゃんのトリセツ”はパパママがつくるもの

育児

目次[非表示]

  1. 赤ちゃんが泣く理由(原因)は?
  2. 赤ちゃんが泣き止まない時の対処法① スキンシップで赤ちゃんとの親和度を深める
  3. 赤ちゃんが泣き止まない時の対処法② パパだけの得意技を作る
  4. 泣き止まない赤ちゃんを放置するのはNG?
昔から「泣くのが仕事」と言われるほど、赤ちゃんが泣くのは当たり前のこと。

むしろそれは健康な証拠でもありますが、時間や場所を問わず泣き続け、いくらあやしても泣き止まないとパパママも戸惑ってしまいますよね。

泣き続ける赤ちゃんに対して心の余裕を失って育児ストレスにならないよう、そしてパパが積極的に育児に参加する力になるよう、新生児訪問指導歴25年以上という経験豊富な現役ベテラン助産師の浅井貴子さんに「赤ちゃんが泣く理由と対処法」を解説していただきます。

赤ちゃんが泣く理由(原因)は?

出典:「乳幼児揺さぶられ症候群予防BOOK」(岡本美和子・浅井貴子)

赤ちゃんの泣きは生後2〜3週間から増加し、生後1〜2カ月頃にピークを迎えます。生後3〜4カ月頃になると落ち着いてきますが、生後6カ月を過ぎると体や感情が発達する影響から、「夜泣き」や「人見知り泣き」などいろいろな理由で泣くようになります。

一般的に赤ちゃんが泣くのは何らかの不快や不満を感じているからで、その不快感は「肉体的不快」と「精神的不快」に大きく分けられます。

「肉体的不快」による泣きは、例えば「お腹が空いた」「おむつが汚れている」「眠い」「暑い」「暑い・寒い」といった生理的要求を訴えようとしているもの。また、風邪や痛みなど体の異常を泣いて訴えるケースもあるので、体調の変化をこまめにチェックする必要があります。

もう1つの「精神的不快」による泣きは、「抱っこしてほしい」「リラックスしたい」「寝ぐずり」の3大原因をはじめとする、つまり気持ちの問題が理由。

赤ちゃんが泣くケースの多くはこの精神的不快によるものなのです。

赤ちゃんが泣き止まない時の対処法① スキンシップで赤ちゃんとの親和度を深める

赤ちゃんはこうしたさまざまな不快や不満をパパママに伝えるために、一生懸命泣くことでサインを送っているのです。なので赤ちゃんが泣き始めたらまずは泣いている理由を探し、ミルクが飲みたいのであれば授乳、眠いのであれば寝かしつけなど、原因を解消することでなだめてみてください。

ただし、精神的不快が原因となる泣きの場合は、マニュアル的な方法で泣き止ませようと躍起になるとむしろ逆効果な場合もあります。

赤ちゃんは自分が泣けばパパママが来てくれて、さすったり抱っこであやしてくれることを理解して泣いています。いわば赤ちゃんは、パパママとの親和度を深めたくて、自分の所まで呼ぶために泣いているわけです。
そんな「仲良くなりたい」という赤ちゃんの欲求に応える気持ちで、パパママも赤ちゃんと親和度を深めるつもりで接してあげてください。カンガルーの赤ちゃんが袋に入っているように優しく密着させながら抱いて、パパママの心臓に耳を当てて鼓動を聞かせてあげたら、安心して不思議と泣き止むものですよ。
赤ちゃんとの親和度を深めるという観点から、他にもオススメしたい泣き止ませ方法がベビーマッサージです。とりたてて特別な技術は必要ありません。赤ちゃんを裸にして清潔な手でベビーオイルを塗り、愛情を伝えるように全身の肌を優しく撫でてあげるだけで十分です。

手の大きなパパのマッサージだと赤ちゃんも喜んでくれて、グズグズした気分も落ち着くはず。パパにとっても「今日はご機嫌だな」「お、こんな所にホクロがあるのか」など子どもの健康状態や成長をよく知る機会になるので、泣き止ませる時以外にもぜひオススメです。

赤ちゃんが泣き止まない時の対処法② パパだけの得意技を作る

また、人見知り泣きの一種として、いくらパパがあやしても泣き止まないケースもあると思いますが、そういう場合はある程度の時間が必要となります。

ただし、ここで言う時間とは「何もせず過ぎていく時間」ではなく「パパと赤ちゃんが一緒に過ごす時間」のことです。
仕事から早く帰った日や週末は一緒にお風呂に入ったり、おむつの取り替えを積極的に率先するなど、赤ちゃんと触れ合う時間をなるべく作っていきましょう。そうするうちに、赤ちゃんにとってパパが安心できる存在になり、パパの抱っこで泣き止ませることも難しくなくなるはずです。
また、これはママに負けない!という得意技を1つでも作ることもオススメです。

例えば、ママには難しいダイナミックな「飛行機ごっこ」や「高い高い」、あるいは心地いいリズムでトントンできるなど赤ちゃんが喜ぶ得意技が何かあれば、パパと赤ちゃんがもっと仲良くなれて「ママじゃなきゃ泣き止まない」ということも減ることでしょう。

泣き止まない赤ちゃんを放置するのはNG?

時々「何をやっても泣き止まない場合、泣き疲れるまで赤ちゃんを放置してもいいのでしょうか?」という質問を受けることがあります。

もちろん、まったく注意を払わないという意味での放置はNGですが、何をやっても泣き止まなくて焦りやイライラがたまってしまったら、一度クールダウンすることも大切。

ベッドの柵を上げるなど周囲が安全かどうかしっかり確認した上で、赤ちゃんを仰向けに寝かせ、数分間その場を離れて深呼吸してみましょう(もちろんこまめに様子を見ることは忘れずに)。

一番いけないのは、頑張りすぎて焦りやイライラを限界までため込んでしまい、腹立たしい気持ちを赤ちゃんにぶつけるように強く揺さぶってしまうこと。

これは「乳幼児揺さぶられ症候群」と呼ばれていて、ちゃんと首がすわっていない赤ちゃんをわずか数回揺さぶっただけでも、脳に大きなダメージを与えてしまいます(リズムを取るようにおしりをトントン叩きながら軽く揺する程度であれば大丈夫です)。

そのためにも、安全を確認した上で赤ちゃんからほんの少し離れ、パパママ自身の心をリセットすることも必要なのです。

また、どうしても今済ませなければいけない用事があって、泣いている赤ちゃんのお世話まで手が回らないこともあるでしょう。

そうした不可抗力の場合は「これが終わったら○○ちゃんの所に行くからね。もうすぐだからね」と声を掛けて安心させてあげてください。まだ言葉が分からないのに…と思うかもしれませんが、パパママの言葉のニュアンスはちゃんと赤ちゃんも理解してくれるものなのです。
今回ご紹介した赤ちゃんの泣き止ませ方はほんの一例です。この世に生まれてきた赤ちゃんは一人として同じ子はいないわけで、すべての赤ちゃんに必ず通用する泣き止ませ方があるわけではありません。

まずはいろいろな「なだめ方」や「あやし方」を試していき、その中から赤ちゃんのお気に入りを見つけてみましょう。そうして数々の試行錯誤を重ねながら、自分たちだけの「我が子のトリセツ」を作ってください。

<記事協力>
浅井 貴子
新生児訪問指導歴約25年以上のキャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児のアドバイスや母乳育児指導を実施。ベビーマッサージや妊婦さん向けのセミナーの講師を多数務める。
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