
子どもに激怒する妻…この修羅場をどう乗り越える?【教えて先輩!オトコの家事育児お悩み相談室】
家事や育児に日々奮闘している全国のパパたちから悩みを受け付け、経験豊富な先輩パパたちがアドバイスを贈る「教えて先輩!オトコの家事育児お悩み相談室」。
第2回の悩みに答えてくれるのは、長女の誕生を機に専業主夫に転身し、現在はマジックパパの代表を務める和田のりあきさんです。
<相談内容>
ある日、私が仕事から帰ってきたタイミングで、妻が子どもたちに激怒していました。
妻に事情を聞きたいと思いましたが物凄い剣幕に勇気を出せず、また子どもたちをフォローしようにも後から簡単に口を出せず…。
そんな状況を先輩主夫の方々はどう乗り越えていますか?
(エビフライ大好きさん)
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エビフライ大好きさん、お仕事おつかれさまです。仕事から帰ってほっとできるタイミングで、家がその状況はつらいですね。
そういう状況から逃げようとする男性は多いです。スマホやテレビに逃げ込んだり、風呂や自室に閉じこもったり、子どもが寝静まる時間までわざと家に帰らなかったり。
終業後もまっすぐ帰宅せずに外で時間を潰す「フラリーマン」がNHKで特集されて話題になったこともありました。
家に帰ってパートナーさんと子どもへのフォロー、そして乗り越え方を探られているエビフライ大好きさんはとても素敵なパパです。
さて、まずは状況の分析をしてみます。
それぞれの立場から状況を分析
まずはパートナーのこと。
多くの家庭で、子どもに激怒する頻度はパパよりもママの方が多いです。その理由はママの方が子どもと関わっている時間が長いから。
これはパパママの性別は関係ありません。主夫家庭で子どもと関わっている時間が妻よりも私の方が長かった和田家では、私の方が子どもにキツくあたる頻度も高かったです。
子どもは先天的に理不尽な存在。家事の段取りの障害になることもあり、激怒してしまうママの気持ちはとってもよく分かります。
次に子ども。
決してママを困らせたり怒らせたりしようと悪意を持って行動しているわけではないのに、結果的にそうなってしまう。
子どもにとってもママからキツくあたられることは理不尽でしんどいことです。
そしてパパ自身のことです。
この状況をなんとかしたい。家族をフォローしたい。
そのお気持ちは大事になさってください。でもこの状況はパパ自身にとってもしんどいですよね。
すべてを一気に解決しようとすると頭が混乱します。対応は個別に分けて考えましょう。
ママとは共感、子どもとは共犯
まずはパートナーに対して。
激怒されている最中に口を出さないエビフライ大好きさんの対応は正しいです。
たとえどんな口出しでも火に油を注ぐという結果になることが多いので、子どもに物理的な被害が及ぶおそれがないのなら、その場はできるだけ穏やかにやり過ごします。
そしてパートナーが落ち着かれたタイミングを見計らって、普段から頑張ってくれていることに対してねぎらいの言葉をかけましょう。
「おつかれさま」
「いつもありがとう」
それが翌日になってもかまいません。
大事なことは、パートナーをいたわっている気持ちを伝えること。
してはいけないのは、子どもを怒っていた状況をジャッジすること。
ほとんどの場合、ママ自身も自分が怒りすぎたことは自覚されています。
次に子どもに対して。
どこかで子どもとパパだけの時間をつくってください。そして子どもをフォローしましょう。
一緒に風呂に入ったり、ちょっと近所のコンビニへお菓子を買いに行く。保育園の送迎をされているのならその行き帰りにでもかまいません。
「ママ、すごく怒ってたな。ちょっとしんどかったな」
子どもとパパだけで秘密の気持ちを共有してみてください。
その時に気をつけなくてはいけないこと、それは子どもの前でママの悪口を言わないこと。
妻との関わり同様に妻をジャッジしないことです。
妻の行動から受けた自分たちの気持ちだけを共有してください。
ママには共感者になり、子どもとは秘密の共犯者になりましょう。
それでもムカつくこともある
上記のことを行えば、パパとしての家族への対応は十分です。
でも、フォローする一方ではパパ自身もしんどい。
ときには、パートナーにパパの意見を伝えることも必要です。状況を解決するためじゃなくて、自分自身の心の健康のために。
できればパートナーと落ち着いて話ができるタイミングで、自分が困っていることを伝えましょう。
その時に大切なのは、妻を非難するのではなく、自分の気持ちを伝えることです。妻が頑張ってくれていることは分かっている、だけど仕事から帰ってきたタイミングで正直しんどいときもある、と。
伝えても何も解決しないかもしれません。もしかしたらパートナーと気持ちのぶつかり合いになるかもしれません。
でも大丈夫、機嫌悪くいるのも体力を使います。永遠に機嫌が悪い人はいませんし、永遠に続く喧嘩もありません。
自分の感情を伝え、妻の感情を聞いて、それでいったん終わりましょう。
上手に夫婦喧嘩をしよう
恥ずかしながら、こんなことを書いている私自身の家庭も、夫婦でぶつかることはしょっちゅうです。
ある時、食事の時にテレビをつけるかつけないかで喧嘩になりました。
妻はテレビが大好きで、仕事のストレス解消の手段でした。僕はテレビが好きではなく、食事中は家族の話を聞いていたい。
真っ向からぶつかってしまい、激しい喧嘩になりました。
だけどお互いの気持ちを知った翌日、仕事から帰ってきた妻は自分でテレビをつけませんでした。それを見た僕は「テレビをつけていいよ」と言いました。お互いの気持ちを知ったことで自然に歩み寄りが起きたのです。
今、食事中に家のテレビはついています。その代わり、音量は私が決めた「15」になりました。
気持ちを伝えて歩み寄り、パートナーをいたわりながら長い目で家族を作っていきましょう。
気づいた頃にはお子さんも成長して、ママに叱られることも減っているかもしれません。
※掲載する情報はすべての方にそのまま当てはまる内容ではありません。
それぞれの夫婦関係や事例に沿った方法でご活用ください。
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