在宅時間が増えてパパの家事育児はどう変わった?どう変わるべき?withコロナで求められる家事育児のポイント

在宅時間が増えてパパの家事育児はどう変わった?どう変わるべき?withコロナで求められる家事育児のポイント

家事分担

目次[非表示]

  1. 在宅時間が増えて「やりたくても時間がなかった」パパの家事育児参加率がアップ
  2. 家事育児の役割は増えたのに…パートナーの評価とのギャップ
  3. 家事分担のルールを決めている家庭は少数派…ルールを設けない弊害は?
  4. コロナ渦で増えた家事の負担がパートナーに偏っていないか?
  5. 「名もなき家事」の夫婦ギャップは放置していると問題に?
  6. 田中先生が提案する「コロナ禍でパパに求められる家事育児のポイント」
    1. ①家事育児は生活に欠かせない
    2. ②面倒なことは女性任せになっていないか
    3. ③ルールの運用は柔軟に

在宅時間が増えて「やりたくても時間がなかった」パパの家事育児参加率がアップ

まず、コロナウイルスや外出自粛の影響による勤務時間の短縮、また在宅勤務などによって在宅時間が増えたかどうか質問したところ「とても増えた」「やや増えた」と答えた方は過半数。男性だけで見ても57%にのぼります。
コロナ渦をきっかけに、私たちの生活や働き方はこれまでとは大きく一変しました。不要不急の外出はなるべく控え、可能な限りテレワーク(在宅勤務)に移行し、平日・休日問わず在宅時間が長くなったという方は多いことでしょう。そして、そうしたライフスタイルの変化の影響で、日々の家事育児に生まれた変化も決して少なくないはずです。

では実際のところ、コロナ渦を境にパパたちの家事や育児はどのように変わったのか? また、その変化はwithコロナの「新しい生活」で必要な内容を満たしているのか?

そこで今回は、リンナイが実施した「夫婦の育児・家事に関する意識調査」の結果を基に、男性学の第一人者である大正大学心理社会学部准教授の田中俊之先生が解説する「コロナ禍に求められる育児・家事のポイント」をご紹介します。

(画像提供:リンナイ株式会社)

また、「増えた」と答えた男性に、コロナ前と比べて家事育児の参加度合いがどれくらい変化したか尋ねたところ、約6割が「積極的に家事・育児に参加するようになった」と回答しています。

(画像提供:リンナイ株式会社)

こうしたポジティブな変化が伺える調査結果を、田中先生は次のように分析しています。
従来、男性の働き方は1日8時間週40時間は「最低限」で、それ以上の残業をするのが「普通」でした。それに加えて、都市部では通勤に往復で2時間程度かかることを考えると、平日に自宅で過ごす時間は非常に短かったと考えられます。

在宅時間が増えた男性がこれだけいるということは、新型コロナウイルスの影響が私たちの生活にいかに大きな影響を与えたかがわかります。これまで家事や育児をやりたくても時間がなかった男性もいるはずですし、これを機に、重要性に気づいた男性も多かったのではないでしょうか。

家事育児の役割は増えたのに…パートナーの評価とのギャップ

次に、コロナ禍によって「夫婦間での家事育児の役割分担に変化があったかどうか」を調べたところ、自分自身については男性が約5割、女性は約4割が「役割が増えた」と回答。前問で判明した、男性の家事育児参加率アップを裏づける結果と言えます。

(画像提供:リンナイ株式会社)

また、実際にコロナ前後で家事育児の時間にどれだけ差が生まれたか質問すると、コロナ以前と比べてコロナ以降は男性・女性ともに育児時間が1時間増加、家事時間は男性が約40分、女性が約20分増えるという結果になりました。

(画像提供:リンナイ株式会社)

ところが一方、パートナーの役割分担の変化についても尋ねたところ、夫の役割が増えたと答えた妻は、夫の自己申告を大幅に下回る約3割と少ない結果に…。どうやら、夫が参加しているつもりでも妻は満足していないという家庭は少なくないのかもしれません。

(画像提供:リンナイ株式会社)

こうした夫婦間の意識ギャップの危うさについて、田中先生は次のように警鐘を鳴らしています。
自分自身は育児・家事を分担しているつもりでも、相手はそう思っていないということは少なくありません。自己評価よりもパートナーの評価が低くなっているのは、女性から男性だけではなく、男性から女性でも同じです。

こうしたギャップをそのままにしておくと、お互いに不満が溜まっていくことになります。まずは、新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増え、その分、どのような育児・家事の負担が生じているのかを夫婦でしっかり確認するところから始めましょう。

家事分担のルールを決めている家庭は少数派…ルールを設けない弊害は?

続いて、家庭で家事分担に関するルールを設けているか質問したところ、約8割の家庭がルールを決めていないことが明らかに。もちろん、あえてルールを設けないことで柔軟かつ臨機応変に家事を分担しあっている家庭も少なくないと思いますが、これほどの差はちょっと意外な気もします。

(画像提供:リンナイ株式会社)

また、家事分担に関するルールがあると答えた方に、どのようなルールがあるか聞いたところ「内容ごとに担当を決めている」が約7割。「家にいる(在宅勤務含む)方が行う」が3位に入っているのは、コロナ渦が多分に影響しているのでしょう。

(画像提供:リンナイ株式会社)

こうした家事分担のルールのあり方について、田中先生は次のようにアドバイスしています。
各ご家庭の事情に合わせて、男女で公平に家事を分担する上では、実際にどのような家事があるのかを「見える化」することが大切です。

家事分担のルールを決めていないご家庭が約8割となっていることから、残念ながら現状ではこうした「見える化」があまりできていないのではないかと思われます。実際にルールを決めているご家庭では、「内容ごとに分担を決めている」が最も多い回答となっていることからもわかるように、まずは家事の内容を把握することが大切です。

コロナ渦で増えた家事の負担がパートナーに偏っていないか?

コロナ期間中、コロナ前と比べて担当する家事の量や頻度が増えたと感じているか調べたところ、全体で約4割が「増えた」と回答。家族の在宅時間が増えれば、それに伴ってさまざまな用事や世話が発生するので、十分想像できる結果と言えます。

(画像提供:リンナイ株式会社)

また、増えたと答えた方に「増えた家事」を質問したところ、男女間で結果のギャップが発生。男性は「掃除」が約6割と最多なのに対し、女性の最多は「料理」で約9割(ちなみに男性では54.2%)。夫婦間の家事分担が浸透しつつある中、料理に関してはいまだ妻に負担が偏っている状況が伺えます。

(画像提供:リンナイ株式会社)

さらに、コロナ禍によって新たに増えたと感じる家事育児、いわば「コロナ家事」を尋ねたところ、「マスクの手洗い・洗濯」が過半数で最多。続いて「除菌、手洗いうがいの呼びかけ」や「子どもの検温」などが上位にランクインしました。家事の量が増えるのは面倒ですが、今までやる必要のなかった新たな家事が増えるのはもっと面倒ですね…。

(画像提供:リンナイ株式会社)

こうしたコロナ渦ならではの家事育児の変化に対して、田中先生は次のような観点から対応を促しています。
新型コロナウイルスの影響により、これまでになかったような家事が増えています。マスク、除菌グッズ、体温計は品不足が社会問題となっていた時期もありましたから、こうした商品を確保するのも大変だったのではないかと思います。

細かいところまで気を使わなければならない生活を続けていると、女性でも男性でもストレスがたまります。単に新しく増えた家事の分担について考えるだけではなく、お互いに労わり合えるような時間を作ることも大切ではないでしょうか。

「名もなき家事」の夫婦ギャップは放置していると問題に?

続いては、前問で挙がった「除菌・手洗いうがいの呼びかけ」のような、いわゆる「名もなき家事」についての調査。

名もなき家事だと感じるものを選んでもらったところ、ここでも男女間の結果にギャップがありました。男性の1位は「食器を下げる」、女性の1位は「毎日の献立を考える」。前々問の「コロナ前と比べて増えた家事」の結果と同じく、料理にまつわる主要な家事負担が妻に偏りがちな傾向が伺えます。

(画像提供:リンナイ株式会社)

他にも男女間でギャップが生じた(=負担が偏っている)「名もなき家事」は、「PTA活動に参加する」と「消耗品の在庫を確認する」。いずれも女性が男性よりも2倍以上という差がつきました。

(画像提供:リンナイ株式会社)

こうした結果を受けて、田中先生は次のように「名もなき家事の分担」を提案しています。
非常に多くの女性が「名もなき家事」として「毎日の献立を考える」をあげています。献立は単にメニューを考えればいいわけではありません。食材の買い出しやストックについても頭の中に入れておく必要があります。加えて、献立を考えているということは、そのまま料理を担当しているケースも多いでしょう。

担当していない男性からすると些細なことに思えるかもしれませんが、実際にはかなり負担の大きい家事です。献立の担当ではなくても、冷蔵庫に何が入っており、いつどれくらい買い物が必要なのかは把握できるようにしておきたいものです。

田中先生が提案する「コロナ禍でパパに求められる家事育児のポイント」

(画像提供:リンナイ株式会社)

今回の調査で、家事育児における男女のさまざまな意識ギャップが判明しました。実際の意識は家庭や個人によって差がありますが、全体的な傾向や田中先生の解説も含めて、いくつかの気づきを得られたのではないでしょうか。

最後に田中先生は、今回の解説のまとめとして「コロナ禍に求められる家事育児のポイント」を次のように挙げています。ご自身の家庭環境と照らし合わせ、取り入れられるポイントはぜひ改善に役立ててください。

①家事育児は生活に欠かせない

在宅時間が増えたことで、男女問わず、育児や家事の大変さと重要性に改めて気がついた人も少なくなかったはずです。とりわけ、あまり家にいなかった男性たちほど、新たな発見があったかもしれません。育児も家事も私たちが生活していく上で欠かせないものです。まずはその認識を夫婦で共有してください。各ご家庭の事情は様々でしょうが、これを機に自分たちなりの育児・家事のやり方を考えて欲しいと思います。

②面倒なことは女性任せになっていないか

これまで育児でも家事でも細かく、面倒なことは女性任せになっていたご家庭は多いと思います。「毎日の献立を考える」や「シャンプーや洗剤の補充をする」などといった「名もなき家事」はその典型です。料理や掃除といったわかりやすい家事だけではなく、一見些細なようでも、実際には時間や手間がかかる家事も含めてリストアップして、「見える化」をする必要があります。

育児についても同様です。その上で、お子様の年齢や人数、仕事の忙しさなどをふまえて、分担を決めていきましょう。誰にでも息抜きは必要ですから、育児と家事の分担に加えて、お互いの自由時間について話し合うのもおすすめです。

③ルールの運用は柔軟に

育児や家事の分担は内容ごとに誰がやるのか明確になっていた方がいいですが、それにあまりとらわれすぎないことも大切です。絶対に守らなければならないと思い込むと、ルール違反が気になってしまって、せっかく分担を決めたのにそのせいで余計にイライラしてしまうことになりかねません。

夫婦で分担しても育児や家事があまりにも大変なのであれば、外部に頼ることを考えるのもいいでしょう。親や兄弟姉妹だけではなく、自治体の地域サポーター、あるいは、ベビーシッターや家事代行サービスを利用することもできます。育児も家事も自分たちだけで抱え込む必要はないのです。
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【調査概要】
調査時期:2020年9月18日~9月22日
調査方法:インターネット調査
調査対象:20~40代の既婚男女(小学生以下の子ども有の方)計1,000人
調査地域:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県