
【燻製調味料】ひと振りで燻製の香りを味わえる──燻製調味料の作り方
今月も家menをご覧の燻製をご趣味とされている皆様、こんにちは。燻製ニストの佐藤暁子です。
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燻製調味料とは?
突然ですが、燻製調味料ってご存じですか?
燻製調味料とは、文字通り、燻製フレーバーの調味料のこと。
塩や醤油、オリーブオイルなどに燻製の香りがついています。
最大の魅力は、手軽に燻製フレーバーが楽しめること。
燻製を作るとなると簡単だとはいえそれなりに手間と時間がかかりますが、燻製調味料なら、ひと振りすれば燻製の香りを味わうことができます。
さらに生野菜など通常は燻製にできない食材も、燻製調味料によって燻製の香りをまとうことが可能に。
燻製調味料って素晴らしいですね。
そんな近頃話題の燻製調味料。
スーパーの食料品売り場でも見かけることが増えてきましたが、今回はその燻製調味料を自家製してみたいと思います。
平田牧場に来ました。ここは言わずと知れたとんかつ屋さんです。ここのテーブルにも燻製調味料が置いてありました。
使い方を伺ってみました。
燻製醤油は、お好みでとんかつにかけてお召し上がりください。燻製オリーブオイルは、藻塩と一緒にキャベツにかけたり、味噌汁に入れてもいいとのことです。
なるほど。ベーコンに代表されるように、豚肉と燻製の相性はバツグン。とんかつが好相性なのは間違いありません。
そして、生野菜のキャベツで燻製の香りを楽しむ手掛かりとしてのオリーブオイル。
以前からお伝えしている「燻製は香りはついても味はつかない」という事実に基づいての藻塩トッピングはお見事。
燻製オリーブオイルと藻塩、実に見事なマリアージュでした! 余談ですが、藻塩はとんかつにも合いますね。
そして、味噌汁に燻製オリーブオイルとは新しい発見でした。
今まで納豆に燻製オリーブオイルをトッピングをしたことはありましたが、これは初めて。実においしいです。クリームシチューにトッピングするのもいけそうですね。
材料
・醤油 100cc(小さいバットに入れる)
・塩 アルミカップに適量
・ごま アルミカップに適量
作り方(燻製醤油・燻製塩)
今回は醤油と塩を燻製にします。
オリーブオイルは熱燻にすると油が高温になるため、残念ながらイエナカ燻製は難しいです。冷燻なら可能なのですが、また別の機会に作ってみたいと思います。
燻製塩
用意した塩は、この3種類になります。いずれも近所のスーパーで購入しました。
燻煙の方法はいつもと同じ。いつもより少しチップを多めに入れて15分間燻煙します。
上から時計回りに「伯方の塩(焼塩)」「赤穂の天塩」「海はいのち」。
伯方の塩(焼塩)は、小粒でさらっとしています。赤穂の天塩は一番水分が多く、しっとりしています。海はいのちは、2つの中間という感じ。
燻煙後、3種類すべて固まっています。スプーンで崩して使ってください。
テイスティングすると、伯方の塩は焼塩だからだと思いますが、さらっとしていて使いやすそう。
赤穂の天塩は、ガチガチで使いにくそう。味も煙の酸性化合物が水分にくっついて、ややエグミがあります。一晩おくと少しまろやかに変化していました。
こういう水分の多い塩は、小鍋で炒って水分を少し飛ばしてから燻煙にすると解消されます。
海はいのちは、少し固まっていますが燻煙直後から味は一番おいしかったです。
燻製塩は、普通の塩と同じように使えます。
肉を焼くとき、野菜炒め、チャーハン、ラーメンの隠し味にするのもオススメ。燻製塩味のカップヌードルが出てもいいのに、と思います。
燻製醤油
続いて燻製醤油です。
燻製調味料の中で一番ポピュラーなのは、おそらく燻製醤油でしょう。
刺身、お新香、そして、なんといっても卵かけごはん! 卵と燻製醤油の相性は最高です。朝ご飯に食べると一日シアワセが続きます。目玉焼きにかけても、玉子焼きにかけても感動の味。
今朝もベーコンエッグ丼に燻製醤油をかけていただきました。
燻製醤油を作るときのポイントは、醤油の量を100㏄で作ること。
醤油の量が少ないと蒸発して、おせんべいのような焦げた香りになります。
また欲張って醤油の量を多くすると表面にしか香りがつかないため、燻製の香りが薄くなります。
写真のようなバットがない場合は、アルミカップで作っても構いません。
ただし量が少なくなってしまい、こぼれやすいので、できれば100円ショップでご用意いただけると便利です。
燻製ごまも、ひと振りで燻製の世界に飛び立てるアイテムとしておすすめです。
ほうれん草のおひたしにひと振り、もやしのナムルにひと振り。
白和えもおいしいです。
はい、それでは作り方まとめです。
燻製調味料(燻製醤油・燻製塩) レシピまとめ
【材料】
・醤油 100cc(小さいバットに入れる)
・塩 アルミカップに適量
・ごま アルミカップに適量
【作り方】
1. スモーカーにアルミホイルを敷き、その上にチップを1つかみ強(15g~20g)のせます。
2. 網をセットし、その上に燻製調味料をのせる。
3. 換気扇を強にして中火にかけ、フタのふちから煙が出て来たらチップが焦げ始めたサイン。弱火にします。
4. 弱火にしてから15分後、火を止めます。
5. 火を止めてもすぐにフタを開けないこと。スモーカー内の煙が落ち着くのを5分間待ってから開けてくださいね。
塩の燻製は香りがつきにくいので、味見してみて香りが薄かったら、5分追加で燻煙してください。
また、燻製調味料は1週間経った頃から、徐々に香りが薄くなります。冷蔵庫で保管し、2週間以内に召し上がってください。
燻製調味料は手軽に作れてとても便利なので、ぜひお試しくださいね。
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■日本燻製協会 http://www.japan-smoke.com/
著書「俺の燻製料理」も、引き続きよろしくお願いします。
※食品に触れる調理器具は清潔に保ち、温度管理をしっかりとし、食中毒には十分にご注意ください
※燻煙の換気にあたって、近隣の迷惑にならないよう十分にご配慮ください
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