【熱中症対策・予防・対処法】2021年も猛暑がやって来た!熱中症から家族を守ろう

【熱中症対策・予防・対処法】2021年も猛暑がやって来た!熱中症から家族を守ろう

ライフスタイル

目次[非表示]

  1. 熱中症になる原因とは
    1. 【環境】高温、多湿、風が弱いなど
    2. 【からだ】乳幼児、高齢者、脱水症状、寝不足や疲労など
    3. 【行動】激しい運動、屋外での作業など
  2. 熱中症の主な症状
    1. 熱失神
    2. 熱けいれん
    3. 熱疲労
    4. 熱射病(日射病)
  3. 熱中症の重症度と対応の判断ポイント
  4. 熱中症の予防策
    1. 暑さを避け、服装を工夫する
    2. こまめに水分を補給する
    3. 屋外で人と2m以上離れている時はマスクを外す
    4. 子どものケアは大人が注意
今年は梅雨明けが早くなりましたが、8月になるといよいよ夏も本番。平年並みの猛暑日が続き、強い日差しの下や高温下で起きる熱中症への注意が必要となっています。さらに今は新型コロナウイルス感染対策として外出時のマスク着用が推奨されているので、これまでとは違った熱中症対策も求められます

熱中症が起きやすいシチュエーションといえば“日中の炎天下”という典型的なケースが思い浮かびがちですが、実はそれ以外のあらゆるシチュエーションにも熱中症のリスクが潜んでいます。総務省消防庁の統計(※1)によると、令和2年(2020)に熱中症による救急搬送が最も多く発生した場所は「住居」で43.4%(2万8121人)。2位は「道路」の17.4%(1万1276人)で、「公衆(屋外)」は9.4%(6130人)。ちなみに前年度と比べて住居の割合は約5%アップ、公衆(屋外)の割合は約3%ダウンしており、コロナ禍のステイホームによる影響が考えられます。また時間帯で見ると、令和元年(2019)夏の東京都23区での熱中症死亡者数は、日中よりも夜間が上回りました(※2)。

つまり屋外だけでなく室内でも、そして日中だけでなく夜間にも熱中症になるリスクが高いということ。特にコロナ禍においては例年よりも在宅時間が長くなるので、室内での過ごし方にも注意が必要です

※1:総務省消防庁「令和2年(6月から9月)の熱中症による搬送状況」
※2:東京都福祉保健局「令和元年夏の熱中症死亡者数の状況【東京都23区(確定値)】」


そこで今回はAll About医師 / 家庭の医学ガイドで現役小児科医の清益功浩さんに監修いただきながら、暑い季節に熱中症にならないために知っておきたい正しい知識や、予防・対処法などの対策についてご紹介します。

熱中症になる原因とは

熱中症対策について触れる前に、まずなぜ熱中症が起きるのか改めて解説しましょう。
人間の体には体温調整機能が働いていて、通常は体内で発生した余分な熱が血液によって皮膚に移動し、汗と共に体の外へと自然に放出されます。

しかし、次に挙げる3つの要因によって体温調整機能がうまく働かなくなると、汗が出なくなったり体から熱が放散されにくくなります。すると体内に熱がたまって体温がグングンと上昇し、熱中症が引き起こされてしまうのです。

【環境】高温、多湿、風が弱いなど

高温、多湿、風が弱いといった環境に置かれると、体から外気への熱放散が減少し汗の蒸発もうまくいかず、熱中症が発生しやすくなります。目安として温度が28度以上、湿度が75%以上となる場合は厳重警戒が必要です。ただし温度が27度でも湿度80%なら厳重警戒ですから、温度と湿度を考慮した暑さ指数(※)を参考にすると良いでしょう

※暑さ指数…熱中症の予防を目的として1954年にアメリカで提案された指標。乾球・湿球・黒球の温度計で測定した数値から、屋外の場合は「0.7×湿球温度 + 0.2×黒球温度 + 0.1×乾球温度」で算出する

日差しが強い時は、直射日光だけでなく地面からの照り返しでも高温にさらされるので、大人より地面に近い位置にいる子どもは要注意。また屋外だけでなく、窓を閉め切ったりエアコンのない室内も危険です。

また、コロナ禍ならではの熱中症リスクとして気をつけたいのが、外出時のマスク着用。マスクを着用していない場合と比べて、のどの乾きを感じにくくなる、心拍数・呼吸数・血中二酸化炭素濃度・体感温度が上昇するなど、体温の上昇の危険性もあり、身体に負担がかかることがあるので、高温・多湿の環境では細心の注意が必要です。

【からだ】乳幼児、高齢者、脱水症状、寝不足や疲労など

体温調整機能が未発達な乳幼児、体温調節や発汗機能が低下している高齢者は熱中症のリスクが高くなります。また、下痢や二日酔いによる脱水症状、さらに寝不足や疲労で体調の悪い時は体温調節機能が低下しているので注意が必要です。

【行動】激しい運動、屋外での作業など

激しい運動や長時間の屋外作業、さらに水分補給できない状況も熱中症を引き起こす可能性があります。普段あまり運動をしていない人も、効率的に汗がかけなくなり熱中症になりやすいと言えます。

熱中症の主な症状

熱中症とは、次の4つの体温調節障害による症状を総称したもので、それぞれ症状が異なります。

熱失神

炎天下の屋外で起きやすい症状。体温が平熱ではあるものの、顔色が悪くなり血圧が低下した(脈が弱く速い)状態。具体的な症状として「めまい」「立ちくらみ」など。

熱けいれん

運動時に多い症状。体温が平熱でも大量の汗をかくことで血液中の塩分が減少し、全身けいれんではなく手足の筋肉が「こむら返り」のようにピクピクする状態。

熱疲労

体温は平熱で、夏バテのように暑さに疲れた状態(全身の倦怠感や脱力、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢など。運動時だけでなく室内でじっとしている時でも起こります。

熱射病(日射病)

屋外・屋内問わず猛暑で起きやすく、体温の上昇によって意識障害や発汗停止が起きる状態。顔色は悪く、腎臓の機能障害で尿が出なくなることも。

熱中症の重症度と対応の判断ポイント

日本救急医学会では2000年以降、熱中症の重症度を専門用語ではなく3段階に分類することで、それぞれの症状に適した対応の目安を示しています。

●Ⅰ度:現場での応急処置で対応できる軽症(熱失神、熱けいれん)
●Ⅱ度:医療機関への搬送・受診を必要とする中等症(熱疲労)
●Ⅲ度:入院して集中治療の必要性のある重症(熱射病)


熱中症の重症度とその後の対応を判断する基準は、第一に「意識がしっかりしているかどうか」意識がしっかりしているⅠ度の症状であれば、まずは涼しい場所(風通しのよい日陰やエアコンが効いた室内)へ移すこと。そして衣服をゆるめる(脱がせる)ことで風通しをよくし、体から熱を逃がしてください。

また、汗と一緒に水分だけでなく塩分も失われているので、塩分を含んだ経口補水液やスポーツドリンクなどを飲ませましょう。なお、濡れたタオルや氷のうで体を冷やす際は、大量の血液が通っている太い静脈(首の両脇、脇の下、足の付け根の前面など)が効果的です。

少しでも意識に異常が認められたり自力で水分摂取できない場合はⅡ度以上と判断。発症状況を把握している人の付き添いで医療機関へすぐ搬送し、治療を受けてください(入院治療が必要なⅢ度かどうかは医者が判断します)。

熱中症の予防策

こうした熱中症を防ぐには、日常生活における予防法を知っておくことが重要です。

暑さを避け、服装を工夫する

激しい運動の有無を問わず暑い日の外出は無理せず(可能であれば暑さが和らぐ日や時間に予定を変更)、日陰を歩いたり涼しい場所での休憩を適宜取ってください。日傘や帽子を使ったり、黒色系以外の服を着るなど、衣服の工夫も有効です。

また、自宅の室内においても、窓から差し込む日光をブロックしたり風通しをよくし、それでも室温が高いと感じたら我慢せずエアコンや扇風機を利用しましょう。冷房で室温が下がると湿度も下がるので、扇風機やサーキュレーターを活用し、室内の温度をまんべんなく調整できればなお良いでしょう。

なお、冷房使用時の室温は28度が目安。室温が低すぎると外気温との差が大きくなり、部屋を出入りする際に体に負担がかかります。ちなみにエアコンの設定温度=部屋の温度ではないのでご注意ください。

こまめに水分を補給する

体の体温調整機能を正常に働かせるためにも、汗で失った水分や塩分を適切に補給する必要があります。暑い日だと表面に見えなくてもじわじわ汗をかいているので、屋外・屋内問わずこまめに水分と塩分を取りましょう。また、軽い脱水状態だとのどの渇きを感じにくいので、のどが渇く前から水分を補給しておくことがオススメ。

なお、アルコールやコーヒーで水分補強を行うのは、尿の量が増え体内の水分が失われてしまうので逆効果。ミネラルウォーターや麦茶、また大量に汗をかいている場合はスポーツ飲料など塩分濃度0.1〜0.2%程度の水分を摂取しましょう。大人の水分摂取量は1日あたり1.2Lを目安に、発汗量などに応じて調整してください。

屋外で人と2m以上離れている時はマスクを外す

冒頭でも説明したように、新型コロナウイルス感染対策として外出時にマスクを着用する際、高温・多湿の環境下では熱中症のリスクが高くなるおそれがあります。屋外で人との距離が十分に確保(2m以上が目安)できる時はマスクを外すようにしましょう。また、マスクを着用する場合は強い負荷のかかる作業や激しい運動を避け、マスクを外せる場所で休憩したり、のどが渇いていなくてもこまめな水分補給を心がけてください。

子どものケアは大人が注意

大人と比べて子どもはまだまだ体温調整機能が未発達で、また自己管理や症状の判断・説明(自己申告)も十分できるとは言えません。一緒に行動する時は大人が責任を持って子どもの具合を十分配慮し、また部活動など親の目が届かない場所でも「暑さを避ける」「こまめな水分補給」を徹底するよう言い聞かせましょう。

熱中症についての正しい知識や予防・対処法などについてご紹介しました。もちろん大人自身も熱中症への注意は不可欠ですが、それ以上に気をつけたいのは、まだまだ自己管理が不十分な子どものケア。熱中症予防のためにパパがしっかり目を光らせ、家族の健康を守ってください。

※熱中症の可能性が認められたり判断に迷う場合は、医療機関で適切な診断・治療を受けてください

<参考>
環境省「熱中症予防情報サイト」


<監修者プロフィール>
清益 功浩

All About「医師 / 家庭の医学」ガイド
医学博士。小児科専門医・指導医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医・指導医。京都大学医学部卒業後、現在も小児科医、アレルギー医として診療を行っている。学会発表、論文も多数。著書として、携帯型熱中指標計「見守りっち」付き熱中症対策ガイド(マイナビムック)などがあり、近著として「じんましんの「真」常識」(医薬経済社)がある。

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