
貯めながら増やすコツコツ投資〜実践編〜
コツコツ投資の第一歩は家計の黒字化から
『人生100年時代を楽しむライフプラン』と題した本連載。「貯めながら増やすコツコツ投資」をご提案した前回に続き、今回はその実践方法を具体的に解説していきます。
長期のコツコツ投資を実践することによって、ただ貯めるだけよりも少ない金額で教育費やセカンドライフの生活費を準備できる可能性があることを、前回お話しました。
とはいえ、資産運用が初めての方は、どうやって投資を行えばいいか分からないのではないでしょうか。
投資を行う上でまず大事なことは、お金を貯められる家計になっているかです。
家計が毎月赤字では投資に回す資金の余裕はできません。家計簿アプリなどで家計を見える化して、徹底的にムダを省きましょう。
投資をすべて他者に任せたい場合
投資というと、いきなり株ですか?と言われる方もいますが、初心者が何も分からず会社の株式を購入しても市場の餌食になってしまいます。
何も分からないけど、おまかせで始めてみて徐々に勉強したい、という方にはロボットアドバイザーがオススメです。
いくつかの質問に答えることで、自動的に投資商品を選んだり売買をやってくれ、有名なものではTHEO(テオ)やWealthNavi(ウェルスナビ)などがあります。
自動的に購入されている投資商品を個別にチェックしてみることで、国内株式・外国株式、国内債券、外国債券、不動産などをどんな割合で購入しているか、個別の商品がどういうものか、手数料は高いか安いか…などを学べることがメリットです。
投資信託は何をどんな割合で買ったら良いか?
投資信託のことは分かっていても、何をどの程度購入すれば良いか迷いますよね。
そんな時は国に聞きましょう。
日本で国民の多額の資産を運用をしている機関といえば、年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(以下GPIF)です。
GPIFは「長期的な観点から安全かつ効率的な運用」を行うため、各資産を組み合わせた資産構成割合を「基本ポートフォリオ」として定めています。
まさに初心者が真似をするにはピッタリですね。
GPIFの現行のポートフォリオは以下のようになっています。
・国内債券:35%
・国内株式:25%
・外国債券:15%
・外国株式:25%
※年金積立金管理運用独立行政法人「基本ポートフォリオの考え方」
https://www.gpif.go.jp/gpif/portfolio.html
毎月積み立てられる金額(投資資金)が上記ポートフォリオの割合になるよう、1年の初めに証券会社のページで積立投資の設定を行い、あとは1年間放ったらかしで良いのです。
投資信託の選び方
■国内株式型から選ぶなら
日経平均株価やTOPIXと連動して基準価額が上がったり下がったりする、インデックスファンドと呼ばれる投資信託から選ぶこと。
プロの目利きが関係ないので、全体の相場が上がる時には上がり、下がる時には下がるので分かりやすく、また手数料が安いこともメリットです。
■信託報酬もチェック
購入時の販売手数料がかからないもの(ノーロード)や、保有中に支払う手数料である信託報酬が安いものを選ぶ。
インデックスファンドはどの商品も利回りはほとんど変わらない分、手数料で差が出ます。国内株式インデックスファンドの信託報酬は、0.159〜0.4%程度です。
■投資信託は毎月分配型ではないものを
投資信託の中には毎月分配金を出すものがありますが、長期投資には向きません。
分配金が出されることによって、利益が出ている場合は税金が一度税金が引かれてしまうので、運用効率が悪くなってしまうからです。
長期積立投資をする場合は、毎月分配型の投資信託ではないインデックスファンドの中から手数料率の低い商品を選びましょう。
通常、投資信託の購入は1万円からの購入ですが、積立投資の設定をする場合は100円や500円などワンコインから購入できる場合もあります。
まず少額から試してみたら良いと思います。
積立投資をする上でどんな口座で行うかというのも、節税や将来の資産の使う順番を考えた時に大切になってきます。
そこで次回はNISA、つみたてNISA、iDeCoについて、それぞれの特徴と教育費やセカンドライフの生活費を準備する上での活用方法ををまとめます。