原因は?対策は?赤ちゃんを突然死から守るためのポイント

原因は?対策は?赤ちゃんを突然死から守るためのポイント

育児

目次[非表示]

  1. 乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因と対策
  2. 仰向けに寝かせたくても寝返りしてしまう場合の対策は?
「乳幼児突然死症候群」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?SIDS(Sudden Infant Death Syndrome)とも呼ばれるのですが、それまで元気だった赤ちゃんが原因不明の突然死をしてしまう病気です。

主に寝ている間に発症し、月齢としては生後2〜6カ月の間に多く、生後6カ月以内の発症がほとんどだとされています。まれに1歳以上でも発生することがあります。令和元年には78名の乳幼児がSIDSで亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第4位となっています(※)。

※厚生労働省「乳幼児突然死症候群(SIDS)について」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/sids.html


そんな乳幼児突然死症候群。親なら誰でも怖いと思ってしまいますよね。大切な我が子をどうすれば守ることができるのか、赤ちゃんの睡眠の専門家として現場の事情も踏まえながら、対策について解説していきます。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因と対策

明確な原因は分かっていないのですが、これまでの研究から原因になっている可能性のあるもの(リスク因子)というのが分かっています(※)。

※参考文献:『子どもの睡眠ガイドブック-眠りの発達と睡眠障害の理解-』
(原典研究:「平成10年度厚生省心身障害研究, 乳幼児突然死症候群に関する研究-保健婦による聞き取り調査結果(主任研究者:田中哲郎)」)


<SIDSのリスク因子>
・男児
・早産児
・低出生体重児
・冬季
・早朝から午前
・うつぶせ寝
・周囲での喫煙
・人工栄養児
などが厚生労働省の科学研究では挙げられています。

これらに当てはまる側に発症が多い“傾向がある”ということを指します。例えば女の子よりも男の子のほうに発症が多い傾向がある、喫煙者が周りにいない子よりもいる子の方に発症が多い傾向がある、ということです。

そうと知っても子どもの性別や体重は変えられません。できる対策として厚生労働省は3つのポイントを挙げています。

①仰向けに寝かせること
仰向けよりもうつ伏せで寝かせたほうがリスクは高いことが研究で分かっています。

②周囲での喫煙をやめること
タバコによる受動喫煙は大きな危険因子であることが分かっています。妊娠中を含め、妊婦や赤ちゃんの周りでの喫煙は避けましょう。

③できるだけ母乳で育てること
人工乳が直接SIDSを引き起こすわけではありませんが、母乳で育てられた赤ちゃんのほうがリスクは低いことが研究で分かっています。
上記3つのポイントの他に、アメリカの小児科学会で出されている安全な睡眠のためのガイドライン(※)では下記のポイントが挙げられています。

※American Academy of Pediatrics「Safe Sleep: Recommendations」
https://www.aap.org/en-us/advocacy-and-policy/aap-health-initiatives/safe-sleep/Pages/Safe-Sleep-Recommendations.aspx


④マットレスはしっかりした硬めのものを使用すること
うつ伏せ寝になった際に顔が沈み込んでしまうことによる窒息等のリスクを防ぐため。(窒息は乳幼児突然死症候群とは異なりますが、突然死を防ぐための安全性という意味で必要な項目となります)

⑤枕や掛け布団など柔らかい寝具を置かないこと
赤ちゃんに枕は不要です。温めすぎは過度な体温上昇を招き、乳幼児突然死症候群のリスクを高めます。また、④同様に窒息を防ぐ目的でもあります。

⑥ベッドガードやバンパーを使用しないこと
ベッドガード(大人のベッドやキッズベッドから転落しないようにする柵)はマットレスとの間に顔が挟まる危険性があり、ベッドバンパー(ベビーベッドの柵にぶつからないよう内側に取り付けるクッション)はそれ自体に顔が埋まってしまう事例が確認されています。使用しないことをおすすめします。

⑦アルコールや薬物を避けること
薬物の使用は日本では考えづらいものではありますが、アルコールを飲んだ際に添い寝をしないよう気をつけましょう。

⑧温めすぎに注意すること
⑤でも述べた通り、温めすぎはリスクを高めます。乳児は環境に合わせて適切な服装をする必要があり、その目安は大人よりも1枚少なめに着せることです。また、帽子等を使用して頭を覆うことも危険です。

⑨母乳育児が確立されたらおしゃぶりを使うこと
おしゃぶりについては賛否ありますので、必ずしも推奨ということではありません。しかし、就寝時におしゃぶりを使用した子のほうが乳幼児突然死症候群の発症率が低いことが明らかになっています(理由は解明されていません)。
おしゃぶりはその後口から外れてもこの効果は継続されるため、眠りについてからは口に入れ直す必要はありません。おしゃぶりを服に取り付ける紐などは首が絞まる危険性があるため、使用しないようにしてください。

⑩親と同室かつ別の寝床で寝ること
ガイドラインでは「ベッドシェアなしのルームシェア」と表現されているのですが、つまりは同じ部屋で別のベッド(布団)で寝ることが推奨されています。大人のベッドに一緒に寝ることはリスクを高めるのでしないようにしてください。
同じ部屋でベビーベッドに寝かせるのが最も安全ですが、布団の場合はできれば親の布団とは少し離して寝かせるようにしましょう。少なくとも同じ布団ではなく、親の布団に入ってこないように注意が必要です。私は子どもの布団をベビーサークルで囲って、物理的に境界線を引いています。この作戦もとてもオススメです。別部屋に寝かせる場合はベビーモニターで様子が見られるようにしましょう。

まずはいま挙げた10点を意識していただくことがおすすめなのですが、その中でも寝返りについては質問の多いところです。なぜなら、望んでいないのに寝返りしてしまうからです。この寝返り問題について補足して対策を解説していきます。

仰向けに寝かせたくても寝返りしてしまう場合の対策は?

寝返りを覚えた子はすぐうつ伏せになります。うつ伏せになってしまって泣いていたり、うつ伏せで寝ていることに親が気づいて戻そうとすると赤ちゃんが起きてしまったりします。

情報収拾する機会の多いママは、このうつ伏せが危険だと言うことを知っている方が多いです。そうするとママたちは必死に大事な我が子を守るため、仰向けに返すチャンスをうかがい、失敗し、また寝かしつけを0からスタートするという生活を送っていたりするものです。

ママ自身がどのくらい敏感に捉えているか、パパにはまずそこを測っていただきたいです。あまり深刻になりすぎてしまうと、ママ自身が眠れず、一晩中神経を削ることになってしまいますので、そんなママにはぜひ次の内容をお伝えいただき、一緒に対策を取っていただきたいです。

①寝返りしても安全な環境を作る
まず、寝返りしてしまうことを前提に、安全な環境を整えましょう。寝返りを防ぐのではなく、寝返りしても安全な環境を作るのです。具体的には、硬めのマットレス(ベビー布団)を使用し、枕や掛け布団などうつ伏せになったときに顔が埋まってしまうような柔らかいものを寝床に置かないことです。
寝返り防止クッションなどの製品もありますが、これはこの製品自体が窒息の原因になるリスクも0ではないのであまりおすすめできません。

②寝返りがえりの練習をする
次に、寝返りがえりの練習をしましょう。寝返りがえりができれば、仮にうつ伏せになってしまっても苦しければ自分の力で元に戻ることができます。
アメリカの小児科学会のキャンペーンでも、子どもが起きているときに保護者がついてうつ伏せにしようということが推奨されています。日中にママやパパがついている状態で、うつ伏せにしてサポートしながら転がる感覚をつかませてあげると良いと思います。

乳幼児突然死症候群は未だ解明されていない病気です。原因不明だからこそ怖いのですが、でも一晩中ずっと起きて見ていては大人が消耗してしまいます。だからこそ、できるだけリスクを減らす対策をとり、安心できる環境を用意するようにしてください。ママもパパもぐっすり眠れることを願っています。

<専門家プロフィール>
和氣 春花(わけ はるか)

米国IPHI公認 妊婦と子どもの睡眠コンサルタント。SNSではねんねママの名前で活動。我が子の夜泣きに悩んだ際に睡眠コンサルタントに支えられた経験から同資格を取得し、パパママ向けのコンサルティングやねんねママのブログ・YouTube「ねんねママちゃんねる」での情報発信、「赤ちゃんとママのためのぐっすりねんね講座」の講師を務めている。

ねんねママのブログ
https://mominess.com/
YouTube「ねんねママちゃんねる」
https://www.youtube.com/channel/UCdcmZnjdRiU6uL7BKua8Bvw