『ワンダー 君は太陽』 | 偏見を乗り越えた少年と家族の勇気に涙

『ワンダー 君は太陽』 | 偏見を乗り越えた少年と家族の勇気に涙

育児

目次[非表示]

  1. 人は外見より中身──説得力を込めて伝えたい
  2. 我が子を試練へ送り出す両親の気持ちを想像するだけで…
  3. 子どももオギーと一緒に成長していける
  4. 『ワンダー 君は太陽』作品情報
※2018年6月公開の記事を再編集・再掲載しています。

人は外見より中身──説得力を込めて伝えたい

ありきたりな考え方ではありますが、人はどうしても“見た目”で相手の印象を判断しがち。また、障がいを抱える人たちと接する機会が少ない子どもたちに、“自分とは違う人”との接し方を理屈で教えるのはなかなか難しいものです。
そうしたデリケートな問題を映画という受け止めやすい形で取り上げ、1つの理想的な姿勢を示すと同時に、大人だけでなく子どもにも深く考えさせてくれるハートウォーミングな作品が『ワンダー 君は太陽』です。

我が子を試練へ送り出す両親の気持ちを想像するだけで…

主人公オギーは、先天性の遺伝子変異によって顔が変形する“トリーチャー・コリンズ症候群”を患い、生まれてから27回も整形手術を受けてきた10歳の少年。オギーの両親はこれまで自宅学習を続けてきましたが、「いつまでも学校に行かないのは限界がある」と息子の将来を案じ、私立学校の5年生に入学させようと決意します。

大人がこの映画を見ると、やはりオギーを見守る両親の立場に自分を重ねずにいられません。「見た目のせいでいじめられたらどうしよう」という心配を必死に押し殺しながら、登校初日に息子を送り出す時の泣きそうな表情。そして案の定、同級生に顔をからかわれたり仲間外れにされたオギーから「どうして僕は醜いの?」と涙ながらに問いつめられた時の気持ちを想像するだけで、胸が張り裂けそうになります。

この映画が安っぽいお涙頂戴モノとは違うのは、こうした障がいを持つ子の家族が直面する苦悩も丁寧に描かれているところ。
深い愛情で優しく包み込む母親と、兄貴のような気さくさで導く父親(ジュリア・ロバーツとオーウェン・ウィルソンが、絶妙に一歩引いた見守り姿勢で好演しています)。彼らが息子の傷ついた心にしっかり寄り添いながら、時にはユーモアを交えてポジティブに励ます姿に胸を打たれ、いつしか見る人も心に「子どもへの深い愛」が温かく満ちていくのを感じるはず。

こうした両親の愛情に後押しされ、逃げることなく学校に通い続け自力で周囲を変えていくオギーの勇気も涙なしでは見られません。
元々オギーは賢くてユーモアセンスも抜群だから、見た目に対する偏見さえ取り払って内面の魅力に触れれば、友達にならずにいられない子。ほんのちょっとしたきっかけで一人また一人と同級生たちがオギーと仲良くなり、いじめが解消されていく変化は、子どもにとって“心の壁を乗り越える”ことの等身大のお手本になることでしょう。

子どももオギーと一緒に成長していける

この映画がありきたりな感動モノにとどまらないもう1つの理由。それは、映画のタイトルのようにオギーという太陽を中心としつつ、(原作小説と同じスタイルなのですが)彼の放つ光に影響を受けていく人々の視点からも丁寧にストーリーを紡いでいること。

パパママの関心が弟オギーにばかり集まる寂しさを我慢し、親の心配事を増やさないよう「いい子」でいようと無理してしまう姉ヴィア。最初はオギーと距離を置きながら、彼の魅力にいち早く気づき絆を深めていく同級生ジャック。さまざまな人物の心の揺れや成長が重なり合っていく多層的な物語構成は、感情移入できるポイントが満載で、得られる感動もいっそう深いものとなります。

大人はオギーの両親に自分を重ね合わせ、我が息子の成長を見る思いで胸が熱くなる。そして子どももオギーを応援したいという気持ちが自然と芽生え、さらに「彼のような人とどう接すればいいのか」「どうすればいじめをなくせるのか」を身近に考えられる。
親子にとって貴重なヒントや感動がたくさん得ることができ、見終われば誰もが人に優しくなれる秀作を、ぜひ家族一緒にご覧ください。

『ワンダー 君は太陽』作品情報

『ワンダー 君は太陽』(2017年) /アメリカ / 上映時間:113分
監督:スティーブン・チョボスキー(「Prince Charming(原題)」(17)など)
主演:ジェイコブ・トレンブレイ(「Before I wake(原題)」(16)、「Book Of Henry(原題)」(16)など)

© 2017 Lions Gate Films Inc. and Participant Media, LLC and Walden Media, LLC. All Rights Reserved.

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¥400

「僕は普通の10歳の子じゃない」--オギーは遺伝子の疾患で、人とは異なる顔で生まれてきた。27回の顔の手術のせいで自宅学習を続けてきたオギーだが、両親は息子を外の世界へ送り出そうと決意する。だが、5年生で入学した学校で、オギーはいじめや裏切りなど初めての困難と出会う。幾度もくじけそうになりながら、家族の愛を勇気に変えて立ち向かうオギーの姿に、周囲の人々が変わり始める。そして忘れられない1年を締めくくる修了式の日に、最大の出来事が待ち受けていた──。

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