子育て世代「男性育休義務化」への本音とは?世代によって生じるギャップ、現実的な壁が見える結果に

子育て世代「男性育休義務化」への本音とは?世代によって生じるギャップ、現実的な壁が見える結果に

育休

2019年6月に有志の議員連盟が「男性の育休取得義務化」を提言したことをきっかけに、男性の育休について議論が盛り上がりを見せています。“義務化”という強制力のある言葉によって、より現実味のあるテーマとして多くの人が関心を集めたためと思われます。


現状では男性の育休取得率が6.16%(平成30年度・厚生労働省調べ)にとどまっている中、実際に子育て世代は「男性の育休取得義務化」をどのように考えているのか? そもそも育休を取得したいと思っているのか?


そんな育休にまつわる子育て世代の本音に迫るため、株式会社Insight Techが運営する「不満買取センター」にて実施された、「男性の育休取得義務化」についての調査結果をご紹介します。


男女8割が男性育休義務化に賛成。30代・40代は他の世代よりも懐疑的


「男性育休義務化についてどのようにお考えですか?」と伺ったところ、75%が「賛成(賛成:41%、どちらかといえば賛成:34%)」と前向きな方が多数。反対という回答も男女ほぼ同じ割合でした。




年代別で見ると、20代の82% が「賛成(賛成:50%、どちらかといえば賛成:32%) 」と回答し、年代別でトップ。実際の子育て層に該当する30代・40代において、賛成意向が相対的に低い傾向が見て取れます。

社会全体の方向性は総論賛成ではあるものの、実際の子育て世代は現実的な見方をしていることが伺えます。




男性の4割が「育休取得は難しい」と回答。世帯年収の低い男性ほど取得に難色


男性に「もし育休が義務化された場合、今の職場でお休みは取得できそうですか?」と伺うと、39%が「取得できない(たぶん取得できない:24%、取得できない:15%)」と回答。年代別では、40代の49%が「取得できない(同:27%、22%)」と回答。「取得できる:36%(間違いなく取得できる:12%、たぶん取得できる:24%)」を上回る結果に。

仕事上でも重要な役割を担う方も多い世代のためか、40代男性にとっては現実的な問題として取得を考えにくい状況のようです。




一方、世帯年収別で見ると、100万〜200万未満の世帯では46%が「取得できない(たぶん取得できない:34%、取得できない:12%)」、500万〜600万の世帯では36%が「取得できない(同:21%、15%)」、1000万〜1200万の世帯では32%が「取得できない(同:18%、14%)」と回答。

世帯年収が低い男性ほど「たぶん取得できない」「取得できない」とする傾向が強く、男性の育休取得による収入への影響を懸念していることも伺えます




女性の7割は夫の育休取得に前向き。収入減や家事負担を懸念して反対する声も


女性に「もしご主人の育休が取れた場合、どのように思いますか?」と伺ったところ、67%が「うれしい」と回答。いずれの年代においても賛成意向が多く、世帯内での子育て・家事分担への期待が高いことが伺えます。


一方、13%が「うれしくない」と回答。年代別では、40代が17%と相対的に高くなっています。

「うれしくない」と回答した理由も伺ったところ、男性が在宅で育休を取ることによる収入の変化や、家事への参画度合いを心配する声が抽出されました。




「男性の育休義務化」についての調査で特に気になったのは、育休を取得できるなら取得したいけど、仕事との兼ね合いや収入減のリスクなどを考えたら難しいという現実的な壁の存在です。


なかなかアップしない男性の育休取得率を改善させるためには「義務化」という強引な形で政府が旗振り役を務めるのも大事なことでしょうが、育休を取得したくてもできない人たちが抱える問題も併せて改善する必要がありそうですね。

 皆さんもぜひこの機会に、育休について家族と意見を交わし合ってみてください。


【調査概要】

■調査方法:インターネットによるアンケート

■調査対象:「不満買取センター」(http://fumankaitori.com/ )を利用するユーザー

■有効回答数:2,993名

■調査期間:2019年6月1日 〜 6月4日