【今こそ掃除したい11の場所】外出自粛の今がチャンス!普段なかなか手が回らない場所の掃除ガイド

【今こそ掃除したい11の場所】外出自粛の今がチャンス!普段なかなか手が回らない場所の掃除ガイド

掃除

目次[非表示]

  1. 【庭・ガレージ・ベランダ等】害虫、害獣の繁殖を阻止する「モノ捨て」
  2. 【玄関】見えないニオイの元を断つ「靴捨て」
  3. 【廊下・ドア】見えにくい天井縁のホコリを取る
  4. 【リビング①】見えにくい家電裏のホコリを取る
  5. 【リビング②】エアコンのフィルターのホコリを取る
  6. 【リビング③】網戸のホコリを取る
  7. 【キッチン①】壁、天井、照明を拭く
  8. 【キッチン②】電子レンジの中、オーブントースターの中、魚焼きグリルの中
  9. 【トイレ】便器と便座の隙間、脱臭フィルターを掃除する
  10. 【浴室】ヌルヌルする「風呂蓋」「壁」「洗い場」
  11. 【寝室】敷布団やマットレスにカビが生えていないか
毎日の暮らしの「困った!」に役立つ技やコツをご紹介する連載「目指せ我が家のHERO!家族を助ける特技を作る」。今回は、外出自粛で家にいる時間が長い今だからこそできる有意義な活動としてオススメしたい「普段なかなか手が回らない場所の掃除」を、家事・掃除アドバイザーの藤原千秋さんに解説していただきます。
新型コロナウイルス感染症の流行による、子どもたちの臨時休校、大人たちのテレワーク推奨。緊急事態宣言からの外出自粛。今、かつてないほど、家族全員が在宅し、家にいる時間が長いという家庭が、増えているのではないかと拝察しています。

外を出歩けない個々の不便は、医療リソースを守るという社会的意義とバーター。そして長い在宅時間は、普段できないような家事にとりかかる時間をもたらしているはず。

なかでも掃除は、常日頃あと回しにされがちな家事ですから、このあり余る時間を「チャンス」と前向きに捉えていただきたいところです。この機会を高い家庭的意義につなげましょう。とはいえいわゆる「年末大掃除」ほどの力みは不要です。できるところからやっていきましょう。

【庭・ガレージ・ベランダ等】害虫、害獣の繁殖を阻止する「モノ捨て」

缶、ビン、ペットボトルなどのゴミや、括った段ボール、古新聞、古雑誌類。また、季節外のタイヤなどといった、さまざまなモノを一時保管のつもりで「家の外」「部屋の外」に置いている方は少なくないと思います。しかし、こういった屋外に他意なく置かれている品々が害虫や害獣を招き寄せます

腐らないからと生ゴミに比べ長く保管しがちな「缶、ビン類」ですが、気温の上昇とともに残り汁が腐敗するなどし、「ヤブ蚊」「ゴキブリ」の発生を促しますし、段ボールや古雑誌類といったものも「ゴキブリ」の巣になりやすいのです。軽視しないようにしましょう。

また季節外のタイヤは、繁殖期の「ハト」の巣になりやすいので注意しましょう。巣作りをされてしまうと周囲が羽や糞などで汚れ、見た目も不快ですし、臭もひどく、さらに鳩の糞にはさまざまな感染症の原因になるウイルスや細菌が含まれるため、健康上の危険もあります。

捨てるモノは速やかに捨て、捨てにくいモノもカバーがけするなど、先手を打っておきましょう。また、それらのある場所の周辺を掃き掃除するだけでも、害虫、害獣は寄り付きづらくなるので、くれぐれも放置だけはしないようにしましょう。

【玄関】見えないニオイの元を断つ「靴捨て」

サイズアウトした子どもの靴でも、大人の古靴でも、「雨の日などに履くかもしれない」などといった理由でなんとなく捨てそびれてることが多いものです。しかしそういう靴が往往にして臭います。

そこで燃えるゴミ用の袋を用意し、下駄箱収納の扉を開け放ち、収納内で異臭を醸し出している靴を嗅覚で選び取って思い切りよく捨てましょう。これだけでも玄関の嫌なニオイは8割方なくなります

じつのところ現況臭っている靴というのは、十中八九、内部で「黄色ブドウ球菌」をはじめとした細菌が繁殖しており、衛生的とは言えない状態に陥っています。こういった靴をそのまま履くと足裏から出る汗でさらに菌が活発になり、ニオイが増します。痒みなども起きやすくなります。

捨てる分別がつかない場合には、この臭う状況を好転させうる唯一の方法である、<一足あたり数千円の除菌脱臭外注コスト>と見合うか見合わないか、ぜひ思案しましょう。

【廊下・ドア】見えにくい天井縁のホコリを取る

通常の掃除では床付近にのみ注目するものです。汚れというものが自重により下に落ちる傾向があるため、それも道理ではあるのですが、実際には暖房時の空気の対流や換気時の風の流れなどもあり、壁・天井などにも微細な汚れは付着し、時が経つにつれそれは少しずつ増していきます。そうやって知らず知らずのうちに汚れが溜まっているのです。

壁、天井などを掃除する際には、それらに使われることの多い塩化ビニルなどのクロス(壁紙)を傷めないために、フローリング床を掃除するのに使う「ドライシート」と呼ばれる柔らかい不織布を用意するとよいでしょう。
そのシートで、玄関あたりから廊下全体の「天井」と「壁」のキワの90度角のあたりをとくに注意して拭きましょう。ペンダントタイプやダウンライト問わず、「照明」の周りも静電気などにより、周囲より汚れが溜まりがちです。これらも拭くと、驚くほどのホコリで真っ黒になります。

もし余裕があれば、壁のみならず「ドア」「引き戸」などの上面も拭いておきましょう。蝶番や戸袋も拭けるとなおいいでしょう。これらの場所もホコリが溜まりやすいので、真っ黒な汚れが取れるはずです。

【リビング①】見えにくい家電裏のホコリを取る

テレビ、電話、HDDレコーダー、パソコンなどあらゆる家電の周囲というのは、静電気により空気中の微細なホコリが寄り集まって溜まりやすい部分です。しかし、モノの裏側という位置にあるものほど、なかなか掃除ができないことが多いのです。

こういった箇所の掃除でも、フローリング床を掃除するのに使う「ドライシート」と呼ばれる不織布は活躍します。主に家電裏の配線部分を中心にホコリをさらい、あぶれた分は掃除機で吸い取るなどしましょう。このとき電源は外しておくようにしましょう。

【リビング②】エアコンのフィルターのホコリを取る

高所にあるためなかなか触れないエアコン本体やその周囲もまた、意外なほどの汚れのメッカです。

この掃除にあたっては、まずエアコンの電源を外し、取扱説明書に従って前面パネルを開きます。説明書のやり方に沿って吸気フィルターを外し、高所から降りて敷いた新聞紙の上などにフィルターを置いたら、掃除機の細部アタッチメントでフェルト状に溜まったホコリ汚れを取り除きましょう

ただし家でタバコを吸っていたり、普段から「焼肉」「タコパ」などリビング調理が多い場合には、ホコリには油気のある「ベタつき」があります。また、日常的に洗濯物の部屋干しをしていたり、加湿器を一年中回しているなど、家の中を加湿しすぎているきらいのある家では、このホコリに「黒いテンテン」が混じっていることがよくあります。それは「カビ」です。

こういった汚れのある場合には、掃除機だけではキレイにできませんので、フィルターを浴室などに持ち込んで中性洗剤での水洗いを行います。フィルターを痛めるほど力づくで行わないように注意してください。このときエアコンフィルター洗浄専用の柔らかな掃除用ブラシがあればそれを使い、なければ歯ブラシを転用。しっかり泡を濯いだら陰干し、エアコンに戻します。

【リビング③】網戸のホコリを取る

気温が高くなり、窓を開けての換気の頻度が高くなると、屋内側を通った風に含まれる繊維ホコリ、屋外側から吹き込む煤煙や泥砂などが、フィルター状の役割を果たす網戸の面に付着しやすくなります。

網戸掃除法には諸説ありますが、最も簡単な方法は大きめのメラミンスポンジを軽く水に浸して絞ったもので、横・横・横…縦、という方向に拭き、汚れを取るというやり方です。この方法では洗剤を使用しなくても大変スッキリしますが、メラミンスポンジはすぐ真っ黒になるので都度バケツの水などで濯ぎながら行います。

住まいが交通量の多い道路沿いにある場合は、ホコリにばい煙(排気ガス)が多く含まれていてベタつきますので、濯ぎ水に数滴の「食器用中性洗剤」を含ませるとより汚れ落ちが良くなります。花粉が多い場合にも奏効します。

【キッチン①】壁、天井、照明を拭く

日々の炊事の際に出る油煙は少しずつキッチンの壁、天井、照明に蓄積されています。

既出の「ドライシート」をここでも活用します。ぬるま湯500ミリに、食器用洗剤5滴垂らした洗剤液に浸してよく揉み、絞ったもので濡れ拭き掃除をしていきましょう。照明は基盤を濡らさないよう、注意して汚れのみ拭っていきます。

【キッチン②】電子レンジの中、オーブントースターの中、魚焼きグリルの中

調理のたびに少しずつ汚れてしまう箇所。時に焦げたり、軽い暴発など経るとなおさらです。

ぬるま湯500ミリに、食器用洗剤5滴垂らした洗剤液に「キッチンペーパー」を浸してしぼったもので拭き上げていきましょう。取り外せる網などは外してシンクで食器洗いの要領で洗い、乾かしてから元に戻します。

【トイレ】便器と便座の隙間、脱臭フィルターを掃除する

家族が排泄するごとに、微細な排泄物の飛沫が便器周辺には舞い散っています。

ぬるま湯500ミリに、食器用洗剤5滴垂らした洗剤液をここでも応用します。温水洗浄便座の電源を外し、貯水タンクの水を抜き(このへんのやり方は、商品ごとに異なるので取説で確認してください)、便座を抱えて斜め上に動かし取り外します。

この、外した便座の裏側と便器との間に汚れが溜まっているので、洗剤液に浸したキッチンペーパーで擦り拭いていきましょう。拭いたペーパーは必ずゴミ袋に捨ててください。トイレに流したら紙が詰まって汚水があふれるなど大変なことになるので決して流さないでください。

脱臭便座には脱臭フィルターが備え付けてあります。大変なホコリ、汚れがこびりついていることが多いので、覚悟して清掃しましょう。

【浴室】ヌルヌルする「風呂蓋」「壁」「洗い場」

毎日の入浴ごとに汚れが少しずつ積み重なり、さらにそこで細菌が繁殖してしまいやすい水場たる浴室。風呂蓋、壁、洗い場は比較的盲点なのでなおさら汚れがたまり育ちやすいのです。

それらの掃除にあたっては、必ず新しいお風呂掃除用スポンジを使ってください。浴室内の細菌を増やさない効果のあるタイプの浴室掃除用洗剤スプレーを1ボトル使い切るつもりで掃除を行いましょう

まずは風呂蓋の両面に洗剤を吹き付け、スポンジの鋭角をうまく使って隅々までこすり洗いします。その後、浴室の壁4面にも洗剤を満遍なくスプレーし、スポンジでこすります。このときドアも忘れないように。

古タオルで構わないので洗剤をつけたもので天井も拭き掃除しましょう。この掃除に使ったタオルは、カビ胞子が多く付いているので、そのまま捨てます。

洗い場にもふんだんに洗剤を吹き付け、ここは浴室掃除用ブラシかたわしを使って念入りにこすります。最後にすべての部分の泡をシャワーで洗い流します。

【寝室】敷布団やマットレスにカビが生えていないか

毎日誰しも長時間過ごす寝室という場、寝具というものは、汗、体液、フケ、抜け毛、アカなどによって想像以上に汚れています。それなのに人目に触れにくいこともあって日常的な掃除ではスルーされやすい寝室。浴室どころではない量のカビに侵されているケースが近年散見されます。

主に敷布団やマットレスなどに、「黒いテンテン」状の汚れが見られる場合、それは汚れではなく「カビ」なのです。そのままその環境で就寝し続けると、カビの胞子を毎晩多量に呼吸してしまうことになり、健康を害するので、なるべく早めに処分してください。カビ対応のクリーニングサービスもないわけではありませんが高額です。

寝具にカビを生やさないコツは、最低月に2回は「干す」こと。干せない場合にはこまめに風通しを行い、万年床にしないことです。
外出自粛によって持て余しがちな在宅時間をどう過ごすか──。のんびりくつろぐのも良いですが、どうせなら“普段できないこと”に費やした方が有意義な気分になれます。いつもの掃除ではなかなか手が回らない箇所をこの機会にキレイにしておけば、年末の大掃除もきっと楽になるはずなのでオススメですよ。

もちろん、今回ご紹介したポイントをすべて一度に掃除する必要はありません。手をつけやすいものや目につく場所から取りかかり、キレイで気持ちのいい住環境を少しずつ実現していってください。

<専門家プロフィール>
藤原 千秋

大手住宅メーカー営業職を経て、主に住宅・家事まわりの記事執筆やアドバイザーを幅広く務めている。家・子ども・仕事の三つ巴を愉しむ三児の母で、育児経験を踏まえた実践的な視点に定評あり。「この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典」(朝日新聞出版)「ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー!!」 (オレンジページ)など著書・マスコミ出演多数。