【お風呂場のカビ対策】梅雨シーズンは要注意!風呂場のカビ対策になる習慣と掃除方法(天井・壁・ゴムパッキン)

【お風呂場のカビ対策】梅雨シーズンは要注意!風呂場のカビ対策になる習慣と掃除方法(天井・壁・ゴムパッキン)

掃除

目次[非表示]

  1. そもそも、カビって何?
  2. 風呂カビの予防につながる日頃の習慣
    1. 窓、換気扇を駆使した「換気」
    2. 物の置き方に工夫した「乾燥」
    3. カビの胞子を見過ごさない「掃除」
  3. 生えてしまったカビの正しい落とし方
    1. ①【天井】消毒用エタノールで拭く
    2. ②【壁面】広域は塩化ベンザルコニウムで拭く
    3. ③壁面タイル目地にカビが生えた場合
    4. ④ゴムパッキン、エラストマー樹脂部分に生えた黒カビの処遇
    5. ⑤美容小物、子どものおもちゃに生えたカビ
    6. ⑥ピンクやオレンジのヌメヌメはカビではない
毎日の暮らしの「困った!」に役立つ技やコツをご紹介する連載「目指せ我が家のHERO!家族を助ける特技を作る」。今回は、風呂掃除担当のパパ必読のテーマ! 高温多湿となる梅雨から夏にかけて発生しやすくなる「風呂場のカビ対策」を、家事・掃除アドバイザーの藤原千秋さんに解説していただきます。

そもそも、カビって何?

ウイルスや細菌と並んで病気の原因になりうる微生物であるカビは、キノコや酵母と同じ「真菌」類に分類される真核生物です。もしかすると「真菌」という言葉からカビも細菌の一種だと思っている方がいるかもしれませんが、細菌とカビとはまったく異なりますので、注意してください。

カビは外部から栄養を摂取して生きていきます。基本的には動植物の遺体など含めた有機物を分解するのですが、無機物や鉱物も栄養源とすることがあります。またこの栄養源には、生きた植物や動物、人間の皮膚や体内も含まれます。

カビが育つためには、一定の環境と一定の時間が必要です。一定の環境とは「温度、栄養、酸素、水分」を指します。基本的に30度前後の温度、あらゆる有機物から無機物、酸素、おおむね65%以上の湿度、というのがカビの快適環境なのですが、これはほとんど私たち自身の快適な生活環境条件と合致してしまうことに注目したいところです。つまり私たちの生活するところ、ほとんどすべてにカビは生えうるのだということです。

風呂カビの予防につながる日頃の習慣

このカビの胞子一つ一つは5マイクロメートル程度の大きさしかなく、目で見て「ある」とわかることはできません。胞子は知らず知らず、私たちの生活環境中に存在しています。今あるこの部屋の空気中にも、当たり前に飛んだり漂ったりしています。

そういった胞子が、風呂場のような、住まいの中でも特に水分の多い好条件下に舞い降りるや、そこで増殖し始めてしまうわけです。果たしてそれをどうしたら阻むことができるのでしょう? そのためには「予防」に特化した、以下に述べるような「習慣」がものをいうことになります。すでにできているか、確認してみてください。

窓、換気扇を駆使した「換気」

非常にシンプルな方法ではありますが、空気中に漂ってしまっている胞子を家の外に追い出すのに「換気」というのは非常に合理的かつ効果的な方法です。湿気(水分)を追い出したり、乾燥させたりする上でも換気は役立ちます。逆に言えば、換気をしないということは、「濃いカビ胞子がひとところに留まり続ける」「カビを発育させるに足る湿気、水分を長くとどめてしまう」という意味で非常に高リスクであるということになります。

換気には、新鮮な空気の入口と、速やかに排出する出口が必要です。新鮮な空気の入口となる窓を開けながら、排出する出口となる換気扇を使って、なるべく24時間住まいの中の空気が入れ替わり続けている状態が理想です。風呂場においても24時間換気扇を止めないようにするのが肝要です。

物の置き方に工夫した「乾燥」

こと風呂場内でカビの生えるポイントというのは幾つかあるのですが、シャンプー、リンス、ボディーソープ、風呂椅子、洗面器などといった「風呂場に置かれている物」の周りに水分はとどまりやすく、そこにカビが見られることがとても多いのです。

吊るせる物は吊るして乾燥しやすくする、浮かせる、物と物の間の空間を開ける、物の数そのものを減らす、といった「物」に着目した乾燥を試みましょう。また置かれている物がすでにカビに侵されている場合はそこがカビの震源地になっています。すぐに洗浄消毒しましょう。

カビの胞子を見過ごさない「掃除」

先ほど「カビが育つためには、一定の環境と一定の時間が必要です」と書きましたが、胞子が発芽して育つまでに「掃除」で除去してしまえば、見えるまで殖えることもありません。

「見えないカビ胞子を見えないうちに洗い流してしまう」という意味で、通常行っているような風呂場の掃除は、それだけでも大きな「カビ対策」になりえるというわけです。

生えてしまったカビの正しい落とし方

ある場所に落ちたカビ胞子は発芽し、一定の時間をかけて菌糸を伸ばし網目状に枝分かれ、増殖してその場でまた胞子を飛ばしますが、目に見える「カビ」の大きさまで育っている状態というのはすでに「胞子を飛ばす」フェーズに達しているということ。速やかに除去しないとカビは殖える一方だということになりますので、正しい方法でカビ除去を行わなければなりません。

①【天井】消毒用エタノールで拭く

カビ胞子といえども重みがありますので、上から下に落ちていきます。しかし密閉されがちな昨今の風呂場の場合、室内での空気の循環により胞子が天井に付着することも珍しくありません。またなかなか天井を仰ぎ見てのカビチェックなどしにくく気づきにくいこともあり、風呂場の天井には育ったカビが比較的多く見られます。

天井のカビは、高所で扱っても比較的安全に使用できる「消毒用エタノール」を染み込ませた使い捨てペーパーなどで、くまなく拭い取り、拭いたものはすみやかに捨てる方法で除去します。消毒用エタノールはカビの細胞を変性させ壊すことができるためです。ただし漂白作用はないので染み込んだ色素は落とせません。

天井に関しては、いわゆるカビとり剤(次亜塩素酸ナトリウム)の使用は「目に入る」リスクが高いので避けましょう。また、ツルツルした陶器やプラスチック面などに生えたカビは、スポンジでこすったり、ただ雑巾で拭き取るなどでも落ちることは落ちます。しかし、ともするとカビを周囲に塗りたくり胞子を散らかすだけになりがちなので、しっかりカビを殺しながら落とすことを考えましょう。

②【壁面】広域は塩化ベンザルコニウムで拭く

風呂場の壁面は場所により、石鹸カスや皮脂などが付着するなど汚れの激しい部分と、基本的に結露とホコリ程度が付着するにとどまる部分とに分かれ、カビの発生リスクがだいぶ異なります。
石鹸カスなどが多く飛ぶ洗い場周辺の壁面(主に腰高より下)は浴槽掃除に準じた洗剤を使用した掃除が必要ですが、腰高より上の四面に関しては、天井同様カビの殺菌を考えた対処となります

ただ「消毒用エタノール」はあまり広域に使うと気化したアルコールで酔うこともあり、また経済的でもありません。もたもたしていると蒸発してしまうこともあります。そこで、この壁面広域に関しては「塩化ベンザルコニウム」を主成分とした殺菌消毒剤を使用することをお勧めします

これは「10%塩化ベンザルコニウム」(10w/v%水溶液=100ml中に10gの塩化ベンザルコニウムが溶けているもの)で、基本的に医療用途に使用される薬剤ですが家庭でもさまざまに応用できます。塩化ベンザルコニウムもまたカビの細胞を変性させ壊す効果があります。

使用する際には必ず200~500倍に「希釈」して使い、危険なので決して原液のまま使わないようにします。200倍にするなら水1Lに塩化ベンザルコニウム5mlを薄めましょう。そうして清潔な古タオルなどをそこに浸し、ゆるく絞ったもので風呂場壁面をまんべんなく拭きます。その際ゴム手袋をするようにしましょう。

塩化ベンザルコニウムは「逆性石鹸」ともいい、「掃除」の用途には使えません。ですので目に見えるアカやヌメリなどの汚れがある場合はあらかじめ浴室用洗剤などでしっかり掃除した後で、「リンス」の感覚で使うようにしましょう。

③壁面タイル目地にカビが生えた場合

カビの菌糸が入り込みやすいタイル目地のカビは、市販のカビとり剤(次亜塩素酸ナトリウム)を使って殺菌漂白しましょう。垂直面に泡タイプではすぐ垂れてしまい落としにくいと感じる場合には、ジェルタイプの市販品があるので適宜活用しましょう。この作業をする際には必ずマスク、メガネ、ゴム手袋をしっかり装着し、換気扇を「強」にしてしっかり換気してください。

④ゴムパッキン、エラストマー樹脂部分に生えた黒カビの処遇

タイル目地と同様、カビとり剤(次亜塩素酸ナトリウム)で殺菌漂白しましょう。ジェルでは行き渡らないケースが多いので、泡タイプを吹き付けた上に食品用ラップを貼り付け湿布状態とし、20分〜1時間程度しっかり染み込ませるようにするのがカビの色素を薄くするコツです。ただしゴムや樹脂が変質、変色する可能性があるので、やみくもに長時間放置しないようにしましょう。

⑤美容小物、子どものおもちゃに生えたカビ

風呂場に長期間置きっ放しにしてある、古いボディブラシやヘチマ、また入浴用の子ども用オモチャなどはカビに侵されていることが多いので、一度明るい昼間に目視で確認してみましょう。

結論から言うとこういった肌に触れる、子どもが口に入れるようなものにカビが生えてしまった場合は、カビとり剤を使わずそのまま廃棄したほうが安全です。そもそもカビを生やさないような工夫(使用ごとにしっかり洗い、水気を切り乾燥させる)を常に心がけ使用するようにしましょう。

⑥ピンクやオレンジのヌメヌメはカビではない

風呂場でカビのようによく見られる、薄赤かったりオレンジ系の「ヌメヌメ」を俗に赤カビ、ピンクヌメリなどと呼んだりしますが、実はこれらはカビではありません。そのほとんどは「メチロバクテリウム」という細菌であり、カビとは異なり「乾燥環境で生き延びる」という性質があります。黒カビ対策を頑張っていると、むしろこのピンク汚れが増えるという二律背反した状況になりやすい傾向があるのです。

この汚れはある種のアルコールと界面活性剤により効果的に除去・予防できることが報告されています。市販の浴室用洗剤に成分が謳われているものがあるのでヌメリが気になる場合には適宜使用するといいでしょう。
カビの原因菌は風呂場のあちこちに目に見えない形で潜んでいます。風呂場がカビだらけになったり、家族に健康被害が及んでしまわないよう、まずは日ごろから風呂掃除と予防策を習慣化することが大切。そしてそれでもカビが発生してしまったら、発生場所に適した除去方法で速やかに退治してください。

※消毒剤や医薬品でカビ掃除を行う際は、浴室内の換気を行い、取り扱いに十分ご注意の上ご使用ください

<専門家プロフィール>
藤原 千秋

大手住宅メーカー営業職を経て、主に住宅・家事まわりの記事執筆やアドバイザーを幅広く務めている。家・子ども・仕事の三つ巴を愉しむ三児の母で、育児経験を踏まえた実践的な視点に定評あり。「この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典」(朝日新聞出版)「ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー!!」 (オレンジページ)など著書・マスコミ出演多数。

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