
旬な【アスパラガス】をもっと美味しく!八百屋が教えるアスパラガスの豆知識(選び方・保存方法・レシピ)
こんにちは。旬八青果店バイヤーの松根です。
緑が気持ち良い季節になってきましたね。
野菜たちも夏に向けての沢山の太陽を浴びながらスクスク育っています!
さて、国内産は3月から始まり、4~5月と夏に向けてたくさん出荷されているアスパラガス。今が本当に美味しい時期ですよね。
今月はそんなアスパラについてお話しさせていただきます!
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アスパラガスは「野菜の女王」!
さて、近年日本でも多くの場所で栽培され、食卓でも定番になってきたアスパラですが、実はヨーロッパ・ロシアが原産。日本より冬は昼の時間が短く寒さが厳しいゆえに、昔は冬場に生の野菜を食べられることが少なかったそう。
そんな中、春の訪れと共に最初に生で食べられるお野菜がアスパラだったため、春のアスパラは大人気! アスパラが顔を出し始めると「もうすく太陽の季節がやってくる!」とワクワクしていたようです。
アスパラは冬場に貯めた甘味と旨味がぎゅっと詰まっているため、ヨーロッパでは「野菜の女王」とまで言われているそう。日本で言う筍や蕗の薹のように、春を告げる山菜にあたる存在のようです。
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旬は年に2回!春のアスパラガスは一年かけて育ちます
そんな「野菜の女王」アスパラが日本に来たのはなんと江戸時代。
当時は観賞用として楽しまれていたそう。そこからしばらくして日本でも本格的に栽培が始まり、今では春と夏の年に2回それぞれの旬を迎えます。
その中でも春のアスパラはじっくり一年をかけて育ったもの。
夏にしっかり光合成を行い、春に向けての養分を貯める。冬にゆっくり休んで春に備えることで、暖かくなる春に一気に芽を出すのが「春のアスパラ」。
春と夏の間に大きく葉を伸ばし、太陽と水の力で大きくなるのが「夏のアスパラ」と呼ばれています。
一年かけて旨味を貯めた春のアスパラは旨味がぎゅっと詰まっています。
春野菜らしいほんの少しのほろ苦さと旨味と甘味、アスパラだけの力で育った力強い味は春のアスパラならでは。ぜひ、ここぞとばかりに食べてみてください!
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アスパラガスの選び方
アスパラの選び方は「鮮度が大事」や「太い方が美味しい」などありますが、本当のところはケースバイケース。
それでも一般的には、太い物は柔らかく、細い物は味が濃いという傾向が高いようです。
というのも、アスパラの太さは土から顔を出した時点で決まっていて、繊維の数、糖度や旨味の分量も実はほとんど同じだそうです。
そのため、太くなればなるほど繊維の間に隙間ができ柔らかく感じ、細くなればなるほど線維同士が近く、しっかりとした食感になります。
また、一本に含まれる旨味も大きさ問わずあまり変わらないそうで、大きい物は優しい味に、小さい物は旨味をしっかり感じられるようになるようです。
ぜひ、それぞれの大きさや味を生かして食べ比べてみてください!
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アスパラのおすすめの食べ方
あまり知られていませんが、鮮度の良い物は生でも食べられちゃいます。
特にホワイトアスパラは日光に当たらず育っているため、皮も柔らかくエグミが少ないので、生っぽさを少し残しながら火入れをする「半生」でのローストもおすすめ。少しの火入れでアスパラの甘味がぐっと引き立ちます。
アスパラ「半生」ロースト
グリーンアスパラはさっと茹でて、塩やお好みのドレッシングでいただく定番の食べ方はもちろん、細い物は味を生かして斜め切りにしてドレッシングと和えてラペにしたり、太いものは柔らかさと大きさを生かしてじっくりローストするのがおすすめ。
ベーコン巻きや炒め物にもおすすめです!
アスパラベーコン巻き
春のアスパラは今が旬! 3月頃に九州から始まり、桜前線と共に北上し、5~6月に北海道から出荷されるまで産地をつないでたくさん出回ります。
今だけの、1年分の力で育った春のアスパラをいろんなメニューにぜひ組み込んで見てください!
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■今回の執筆者
松根 拓乃(株式会社アグリゲート 仕入・卸事業部 バイヤー)
鯉淵学園農業栄養専門学校卒。鯉淵学園では、農作物の知識、栽培方法等、農業、農産物について学ぶ。現在は株式会社アグリゲート 仕入・卸事業部で青果知識・商品知識に長けた生産者と消費者を繋ぐバイヤーとして日々仕入れを行う。以前は、販売事業部にてデリカ・飲食グループのメニュー開発も担当。