
食事中のテレビはOKでYouTubeはダメ? 子どもの動画サイトの使い方を考える
教育
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「テレビ禁止」から「YouTube禁止」に…変わりゆく食事マナー
突然ですが、皆さんの家庭では家族の食事中にテレビをつけていますか?
昔は「子どもが食事に集中できない」「テレビに夢中になって会話が減る」「そもそもマナー違反」といった理由から、食事中にテレビを見ない家庭が多数派でした。昨今はテレビっ子として育った人たちが親になったこともあり、テレビを食事中の会話の話題にしながら家族団らんの時間を過ごす家庭が増えているようです。
このように時代と共に変化していく食習慣の価値観について、さらに考えさせられるようなツイートが最近話題になっています。
食事中にYouTubeの動画を見ていて父親に「行儀が悪い」と怒られた女性が「テレビはよくてYouTubeはダメって納得できない」と訴えた内容に、8万件以上のいいねがつく一方、「パパの気持ちも分かる」という声も多く挙がりました。
昔は「子どもが食事に集中できない」「テレビに夢中になって会話が減る」「そもそもマナー違反」といった理由から、食事中にテレビを見ない家庭が多数派でした。昨今はテレビっ子として育った人たちが親になったこともあり、テレビを食事中の会話の話題にしながら家族団らんの時間を過ごす家庭が増えているようです。
このように時代と共に変化していく食習慣の価値観について、さらに考えさせられるようなツイートが最近話題になっています。
食事中にYouTubeの動画を見ていて父親に「行儀が悪い」と怒られた女性が「テレビはよくてYouTubeはダメって納得できない」と訴えた内容に、8万件以上のいいねがつく一方、「パパの気持ちも分かる」という声も多く挙がりました。
父「食事中にYouTubeは見るな」
— 🌸れいわちゃん🌸 (@rei_wa_chan) November 22, 2019
私「なんで?」
父「行儀が悪いだろ」
私「じゃなんでテレビはついてるの?」
父「うるさい!親に逆らうんじゃない」
YouTubeはダメでテレビはいいっておかしくない?
テレビでも同じじゃない?って思うんだけど。やってること同じなんやから
— ☭旧式化したオーシャン (@Ocean2001611) November 23, 2019
これ、気持ちはわかるけど。
— みー(支援用)🌻🌹👟🧷 (@mi8765432) November 24, 2019
でも食事中にスマホ見るのって、ご飯作ってくれた人に失礼な気がするんだよね…。
テレビもホントは良くない。
でも家族が共通の話題で話せるというメリットはあるかも。きっかけないと会話ができない家族もあったりするだろうし…。
悩ましいとこなんだけどね。 https://t.co/VOERSyK6Nr
なんとなくお父さんの言うことわかるのは、テレビって情報取り入れるためにただついてるだけのもんで、YouTubeって何か見たい動画を目的あって能動的に見てるんでしょ、それはご飯と相性悪いよね、テレビだって見たかった楽しみにしてる番組ご飯食べながらは見ないじゃん、見るならニュースとかでしょ https://t.co/jo6Y6yBS1a
— ゆーすけ (@jed0103) November 24, 2019
食事中のテレビの是非が問われていた時代が昔のことのように思える議論ですが、根幹にある問題は「食事に集中できず、家族の会話もおろそかになる」「料理を作ってくれた人に失礼」など、本質的には昔の“テレビ禁止”と案外似たようなものに思えます。
とはいえこの問題は、テレビっ子として育ったパパママ世代と、動画サイトを気軽に視聴できる環境で育った子ども世代との価値観のギャップゆえ発生したもの。今の子どもにとってはテレビもYouTubeも同じ“動画”であり、誰もが納得できる正解や解決策を導き出すのはなかなか難しそうです。
とはいえこの問題は、テレビっ子として育ったパパママ世代と、動画サイトを気軽に視聴できる環境で育った子ども世代との価値観のギャップゆえ発生したもの。今の子どもにとってはテレビもYouTubeも同じ“動画”であり、誰もが納得できる正解や解決策を導き出すのはなかなか難しそうです。
子どものインターネット動画視聴は家庭において習慣化
お出かけサイト「いこーよ」を運営するアクトインディ株式会社が実施・2019年末に発表した、12歳以下の子どもを持つパパママを対象に行った調査(※1)によると、1日におけるインターネット平均視聴時間はパパママが1時間弱。それに対して子どもは平日33分、休日49分だったそうです。
しかし、休日に2~3時間視聴する子が12%もいて、動画への依存傾向も伺えます。
しかし、休日に2~3時間視聴する子が12%もいて、動画への依存傾向も伺えます。
また、録画でテレビを見ている時間とインターネット視聴時間を比べたところ、パパママも子どももほぼ同じような時間に。
自分で自由にスマホやパソコンを使える中高生と違って、小さい子どものインターネット視聴は「ちょっとした時間」に親が見せているため、結果的にテレビ録画と同じような時間の長さになるのではないかと思われます。
自分で自由にスマホやパソコンを使える中高生と違って、小さい子どものインターネット視聴は「ちょっとした時間」に親が見せているため、結果的にテレビ録画と同じような時間の長さになるのではないかと思われます。
こうしたインターネット視聴の多くはYouTubeなどの動画コンテンツが中心を占めるわけですが、「見る時間を制限している」「見せる動画を選択している」というパパママがそれぞれ40%と29%。無制限には見せないよう配慮しつつ、次のようなメリットから子どもに動画を見せているようです。
<子どものためになる情報が得られる>
「音や映像など、本や図鑑などにはない情報が得られる」(38%)
「インターネットには、テレビにはない、子どもが好きな幅広い内容の動画がある」(33%)
<家事育児のスムーズ化に動画を活用>
「外出先などでスマホやタブレットで手軽に動画が見せられるのが便利」(34%)
「親(保護者)の家事中や外出時に静かにしていてほしい時などにインターネット動画は便利だ」(25%)
<子どものためになる情報が得られる>
「音や映像など、本や図鑑などにはない情報が得られる」(38%)
「インターネットには、テレビにはない、子どもが好きな幅広い内容の動画がある」(33%)
<家事育児のスムーズ化に動画を活用>
「外出先などでスマホやタブレットで手軽に動画が見せられるのが便利」(34%)
「親(保護者)の家事中や外出時に静かにしていてほしい時などにインターネット動画は便利だ」(25%)
子どもとインターネット動画との付き合い方
このように子どもがYouTubeなどのインターネット動画を日常的に視聴していることについて、サイトに関連動画が次々と現れるため区切りをつけにくくなる中毒性や、性的・暴力的な不適切動画に誘導されてしまう危険性も無視できません。
やはりここは保護者の責任として、子どもの発育の妨げにならない明確な視聴ルールを作ることが望ましいのではないでしょうか。
やはりここは保護者の責任として、子どもの発育の妨げにならない明確な視聴ルールを作ることが望ましいのではないでしょうか。
■乳幼児の動画視聴は極力避ける
2歳以下の乳幼児がタッチスクリーン機器を使用しすぎると、成長に必要な睡眠時間が短くなるという研究結果が出ています(※2)。
電車の中など公共の場で静かにさせるためスマホで子どもに動画を見せる光景をよく見かけますが、乳幼児をあやす場合は動画視聴をなるべく避け、できればそれ以外の楽しみを与えてあげましょう。
電車の中など公共の場で静かにさせるためスマホで子どもに動画を見せる光景をよく見かけますが、乳幼児をあやす場合は動画視聴をなるべく避け、できればそれ以外の楽しみを与えてあげましょう。
■1日の視聴計画を明確に立てておく
一度動画を見始めるとなかなか自分から区切りをつけにくいので、「1日3動画まで」「1日30分まで」など明確なルールを決めましょう。
できれば親が一方的に決めるのではなく、子どもと一緒に相談しながら決めた方が、より納得してルールを実践できるでしょう。
できれば親が一方的に決めるのではなく、子どもと一緒に相談しながら決めた方が、より納得してルールを実践できるでしょう。
■視聴デバイスの利用時間制限やフィルターを設定
子どもが危険なサイトや動画に触れないよう、デバイスやブラウザのフィルター設定は必須。
また、共用デバイスの場合は子ども用アカウントを設定することで親が利用時間を制限できるので、自主的にルールを守るのが難しい場合に活用しましょう。
また、共用デバイスの場合は子ども用アカウントを設定することで親が利用時間を制限できるので、自主的にルールを守るのが難しい場合に活用しましょう。
■動画視聴以外の楽しみを積極的に設ける
中毒気味な子どもの動画視聴時間を減らしたい場合は、動画よりも面白い遊びの機会をパパママが積極的に与えてみてはいかがでしょうか。
家の中ならアナログゲームや読書、あるいは公園やレジャースポットに出かけ、さまざまな楽しみを体験するうちに動画への依存度も相対的に下がることでしょう。
家の中ならアナログゲームや読書、あるいは公園やレジャースポットに出かけ、さまざまな楽しみを体験するうちに動画への依存度も相対的に下がることでしょう。
昔は子どもの「テレビの見すぎ」が問題になり、今では「動画の見すぎ」が親にとって悩みの種になっています。
しかし、昔と今では生活環境がガラリと変わり、もはや子どもに動画を一切見せないという選択肢は現実的ではありません。デジタルネイティブ世代の子どもたちが動画視聴のメリットを最大限かつ安心安全に得られるよう、その視聴環境をパパママが適切に整えてあげてください。
※1:子どもとお出かけ情報サイト『いこーよ』調べ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000026954.html
※2:「Daily touchscreen use in infants and toddlers is associated with reduced sleep and delayed sleep onset」
https://www.nature.com/articles/srep46104
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しかし、昔と今では生活環境がガラリと変わり、もはや子どもに動画を一切見せないという選択肢は現実的ではありません。デジタルネイティブ世代の子どもたちが動画視聴のメリットを最大限かつ安心安全に得られるよう、その視聴環境をパパママが適切に整えてあげてください。
※1:子どもとお出かけ情報サイト『いこーよ』調べ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000026954.html
※2:「Daily touchscreen use in infants and toddlers is associated with reduced sleep and delayed sleep onset」
https://www.nature.com/articles/srep46104
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