
肌のかゆみやアレルギーの原因に!正しい知識と対策で家庭のダニを退治しよう
毎日の暮らしの「困った!」に役立つ技やコツをご紹介する連載「目指せ我が家のHERO!家族を助ける特技を作る」。第8回のテーマは、かゆみやアレルギーなどの健康被害を引き起こすダニ対策です。
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ダニでかゆくなるのを予防するには?
家で知らないうちにかゆくなった肌をポリポリかきながら「ダニに噛まれた(刺された)かな」と思った経験はありませんか?
実は、日本で寝具やカーペットなど身の回りに生息するダニの中で、噛む(刺す)のはわずかな種類。ダニが及ぼす健康被害でむしろ深刻なのは、ダニの死骸やフンによって鼻炎、気管支ぜんそく、皮膚炎などのアレルギー反応を発症するケースです。
そんなダニが最も繁殖しやすいのは梅雨の時期と言われていますが、高温多湿な環境を好むダニは春から真夏にかけて増加し8月でピークに。さらにアレルギーの原因となるフンや死骸は秋から急増。つまり梅雨に限らず、1年を通して脅威となりうるのです。
肉眼では見えないほど小さくてどこにいるか分からない、健康を脅かす敵から家族を守るのは“我が家のHERO”たる男の役割!
そこで今回は、住まいと暮らしまわり全般のアドバイザーとして活躍する藤原千秋さんに監修いただき、ダニ対策のために知っておきたい基礎知識や有効な撃退法をご紹介します。
知らなかったでは手遅れ!勘違いしやすいダニ知識
ダニの撃退法についてご紹介する前に、まずはけっこう誤解されがちな「ダニにまつわる知識」について触れておきたいと思います。
ダニが繁殖しやすい時期は梅雨だけじゃない
ダニは20〜30℃・湿度60〜80%の環境を好み、この条件が揃っていれば梅雨の時期に限らずダニはどんどん繁殖するのです。また、ダニの繁殖ペースから若干後ろに遅れる形で、アレルゲンのフンや死骸が増えていきます。
ダニの寿命は約2〜3カ月なので、梅雨から夏にかけてはダニの繁殖を抑制し、秋以降は繁殖したダニのフンや死骸の除去に重点を置くといいでしょう。
布団の天日干し&布団たたきのダニ除去効果は薄い
高熱・乾燥に弱いダニの対策といえば、「布団の天日干し」「布団たたき」が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。
でも実は、太陽光の温度ぐらいでダニを死滅させるのは難しく、また布団をたたいてもダニの死骸やフンが表面に浮かび上がるだけで逆効果…。ただしダニの死骸やフンは、寝具専用クリーナーをかけるだけでも多少の除去効果は期待できます。
つまり“生きたダニ”と“死んだダニ”のそれぞれに応じた対策が必要というわけです。
ハウスダスト由来のアレルギーもダニが原因
室内でアレルギー反応を起こす原因となるのが、床や家具にたまった目に見えない小さなホコリの「ハウスダスト」。その主成分は繊維のクズや外から持ち込んだ花粉などですが、実はダニやカビも数多く含まれています。
ダスキンの独自調査によると、一般家庭の年間平均値としてハウスダスト1gからダニ約2000匹が検出されたとか! つまりダニ対策を行えば、アレルギー症状の改善が期待できるということです。
「加熱・乾燥・除去」でダニ対策
意外と知らなかったダニの実態を説明できたので、いよいよ有効なダニ撃退法をご紹介します。駆除のキーワードは「加熱・乾燥・除去」です。
布団の丸洗い⇒高温乾燥で「生きたダニ」と「死んだダニ」を駆除
布団のダニ対策にはコインランドリーが心強い
布団やカーペットに住みついたダニは、普通の掃除機で吸い取ろうとしてもギュッとしがみついて離れません。そこで、まずはダニを死滅させる必要があります。
特別な道具いらずで効率的なのは、丸洗い⇒高温乾燥のコースです。まずは水溶性のダニの死骸やフンを洗濯によって取り除き、さらに高温乾燥が可能なコインランドリーの乾燥機などで乾かすと、生きたダニを死滅できますよ。
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干せない時におすすめのダニ対策は布団乾燥機
もう1つ、生きたダニの駆除に有効なのが布団乾燥機。高温が苦手なダニは50℃の熱を20〜30分浴びると死滅するので、30分以上じっくり温風をかけるといいですよ。
他にも、ダニの好きな湿気を天日干しや除湿器で減らしたり、お手軽なところではダニ除けスプレーも有効です。そしてダニが死滅したところをみはからって、掃除機(布団の場合は専用ノズル装着を推奨)でゆっくり丁寧に吸い取りましょう。
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床のダニはモップ⇒掃除機の順に駆除
ダニを含むハウスダストがたまった床をキレイにする道具といえば掃除機。
ただし、最初に掃除機をかけてしまうと、掃除機の排気や人の動きによってダニの死骸やフンが宙に舞い上がってしまいます。なので、まずはモップでそっと拭き取って吸着し、それから掃除機を入念にかけましょう。
カーペットの場合は、毛並みと逆方向に掃除機をかけることで毛を起こしながら、ゆっくり繰り返し吸うと、カーペットの根元に潜むダニもよく取れます。あるいは丸洗いも効果的ですよ。
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布団やカーペットだけじゃない。ソファの掃除も忘れずに
寝具やカーペットに次いでダニの好む生息場所が、布製家具のソファや椅子(ビニール製や革製だとダニはあまり潜り込めません)。人がよく座る場所なので、ここも入念に掃除機をかけて駆除しましょう。可能であれば天日干しなどによる乾燥も心がけてください。
空気に舞ったダニは空気清浄機で吸引
いくら慎重に床掃除を行っても、人の動きやモノの上げ下ろしでダニの死骸やフンは宙に舞ってしまいます。そんな時に有効なのが空気清浄機。室内の空気をファンで吸い込むことによって、宙に浮遊したダニやフンを除去できますよ。
ダニの特徴や有効な駆除方法について解説しましたが、いかがでしょうか。
ダニは目に見えないほど小さいのでつい対策を怠りがちですが、放置しておくとさまざまな健康被害を巻き起こすリスクがあります。
自宅での生活をより快適に過ごせるよう、今回ご紹介したダニ撃退法をぜひ実践してみてください。きっとその効果を実感できるはずですよ。
<参照>
ダスキン「ハウスダストの知識と対策」
https://www.duskin.jp/item/mop/housedust/
TCB JAPAN「ダニの繁殖を抑えるお掃除方法」
http://tcb-j.com/mat9.html
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■監修者プロフィール
藤原 千秋
大手住宅メーカー営業職を経て、主に住宅・家事まわりの記事執筆やアドバイザーを幅広く務めている。家・子ども・仕事の三つ巴を愉しむ三児の母で、育児経験を踏まえた実践的な視点に定評あり。「この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典」(朝日新聞出版)「ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー!!」 (オレンジページ)など著書・マスコミ出演多数。
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