旬な【さつまいも】をもっと美味しく!八百屋が教えるさつまいもの豆知識(選び方・保存方法・レシピ)

旬な【さつまいも】をもっと美味しく!八百屋が教えるさつまいもの豆知識(選び方・保存方法・レシピ)

料理

目次[非表示]

  1. <品種はどれにする?>さつまいもといえば、あなたはホクホク派?ねっとり派?
  2. <保存場所は?>さつまいもは寒いところが苦手。
  3. <おすすめ調理方法>じっくり火を入れて甘みを引き出す
  4. アレンジ次第で無限に広がる「さつまいもサラダ」
※この記事は2018年11月に公開されたものを再編集・再掲載しています

<品種はどれにする?>さつまいもといえば、あなたはホクホク派?ねっとり派?

さつまいもにも様々な品種があり、大まかに食感がホクホク系のものとねっとり系のものに分かれます。よくスーパーなどでも販売されている「紅あずま」は、ちょうどホクホクとねっとりの間で、どんなお料理にも使いやすい万能選手です。

ホクホク系には金時芋やシルクスイート、ねっとり系では安納芋、紅はるかなどがあります。

特に出始めの安納芋は糖度が40度を超えることもあり、甘くて人気の品種です。
その他にも芋焼酎や干し芋など、加工に適した品種もあります。

さつまいもは、中国の唐から伝わったので九州では、唐からき来た芋で、未だに「唐芋」と呼ばれている所もあります。国内では、鹿児島の薩摩から伝わったので薩摩から来た芋で「さつまいも」と呼ばれるようになりました。

<保存場所は?>さつまいもは寒いところが苦手。

さつまいもは収穫後、1~2か月かけて糖化といって、水分がぬけて活発だったデンプンがだんだん糖に変化して甘さが増してきたころ出荷されます。

この季節、遠足で芋掘りに行くお子さんも多いのではないでしょうか。つい掘りたてをすぐに食べたくなってしまいますが、1週間くらい常温で乾燥させてから調理すると、よりおいしく食べられます。

スーパーで買ったものも実は常温の保存がおすすめ。

夏生まれで南のほうからきた野菜なので、寒さに弱いのです。新聞紙に包んで、乾燥しすぎない状態を保ちましょう。冷蔵庫で保存する場合は温度が高めの野菜室がベスト。


8~9月は熟成された前年に収穫されたさつまいもから今年収穫されたさつまいもに入れ替わる時期で、ホクホク系のさつまいもから食べごろを向かえて行きます。11月は関東で出回るさつまいもにも味が乗ってきて、旬八青果店で毎年人気の種子島の安納芋は、11月後半~12月がおすすめです。

<おすすめ調理方法>じっくり火を入れて甘みを引き出す

さつまいもはゆっくりと火を入れたほうが、デンプンの糖化がしっかり進むため、より甘みが増しておいしく食べられます。

ちなみに、旬八青果店では「蒸し芋」を販売しているお店もあります♪じっくりふかした熱々のさつまいもはシンプルながらもとっても美味。
旬八青果店で販売しているように、蒸し器を使ってじっくり時間をかけて火を通したり、ローストするのがおすすめです!

蒸し器がない方も多くいらっしゃると思いますが、代わりに炊飯器も蒸し器のように使えます。

水を少しはって、さつまいもをいれて炊飯ボタンを押し、炊飯が終わる少し前に止めるとゆっくり火を通すことができます。

電子レンジで手軽に食べたい方は温め機能で一気に過熱するのではなく、さつまいもを濡れたキッチンペーパーで包んだ後に、サランラップで包み、「下ごしらえ機能」などワット数の低いものでじっくり加熱しましょう。

ワット数が高いと水分が飛びやすく、デンプンの糖化が進まないまま火が入ってしまうのでパサパサになってしまいます。試しにワット数を変えて過熱して食べ比べてみると違いがわかっておもしろいですよ!


バーベキューやグリルで火を通すときも、濡れたキッチンペーパーに包んでアルミホイルに包むと、アルミの熱伝導率がいいので全体に火が通りやすく、おいしく仕上がります。


また、天ぷらにする時はホクホク系のさつまいもがおすすめ。

一気に火が通るためどんな品種でもホクホクの仕上がりに。ねっとり系のさつまいもを使う場合は、事前に下ごしらえとして火を入れてから天ぷらにするとねっとり系の良さが活かせます。

アレンジ次第で無限に広がる「さつまいもサラダ」

最後に私のおすすめの食べ方をご紹介します!

ポテトサラダのじゃがいもの代わりに紅あずまを使います。オニオンスライスを入れればサラダとして、レーズンを入れるとデザートやおやつにも、チーズをいれておつまみとして、一緒に入れる具材次第で様々なシーンで食べられる万能レシピです。

ポテトサラダのじゃがいもの代わりに紅あずまを使った「さつまいもサラダ」

また、金時芋やシルクスイートは筋が少ないので、ペーストにしたときに裏ごしの必要がなく、スイートポテトなどのお菓子作りに向いています。

お好みの品種を見つけて、今年の秋冬はさつまいものお気に入りの食べ方を見つけてみてくださいね!

>「八百屋の「旬八青果店」が伝授!美味しい野菜の見分け方」その他の記事はこちら

※本記事で紹介した青果は仕入状況や店舗により取り扱いがない場合もございます。
■今回の執筆者
松根 拓乃
(株式会社アグリゲート 仕入・卸事業部 バイヤー)
鯉淵学園農業栄養専門学校卒。鯉淵学園では、農作物の知識、栽培方法等、農業、農産物について学ぶ。現在は株式会社アグリゲート 仕入・卸事業部で青果知識・商品知識に長けた生産者と消費者を繋ぐバイヤーとして日々仕入れを行う。以前は、販売事業部にてデリカ・飲食グループのメニュー開発も担当。