今年から始める「ふるさと納税」入門 自治体への寄付でSDGsにも貢献!

今年から始める「ふるさと納税」入門 自治体への寄付でSDGsにも貢献!

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目次[非表示]

  1. ふるさと納税とは? 控除額の計算方法は?
  2. いつ、どのように手続すればいい?ふるさと納税の流れ
  3. SDGsで考える、ふるさと納税の寄付先の選び方
    1. ①寄付金の使い道(自治体の取り組み)を自分で選ぶ
    2. ②SDGs関連の返礼品を選ぶ
自分の好きな地方自治体にお金を寄付すると、寄付への控除以外にも特別な税控除が受けられる「ふるさと納税」。自治体からお礼として贈られる、地域の名産物を活用した返礼品の数々も魅力的ですよね。ただ、「今年こそはふるさと納税に挑戦してみよう」と思いつつ、制度がよく分からないため腰が重くなり、結局手続きしない…という方も少なくないのでは?

そこで今回は、「名前ぐらいしか聞いたことがない」という方でも制度を理解できるふるさと納税の基礎知識と、魅力ある返礼品という視点だけではなく、今取り組んでいきたいSDGsの観点から見た寄付先選びのオススメポイントについてご紹介します。

ふるさと納税とは? 控除額の計算方法は?

ふるさと納税とは、故郷や応援したい地域など自分が選んだ地方自治体に寄付した際、寄付額のうち2000円を超える部分について原則として所得税の還付、または住民税の控除が受けられる制度。つまり、自治体からお礼の返礼品を受け取る場合、実質2000円を負担することで品物を受け取ることができるというわけです。ちなみに、所得税と住民税の控除額の計算方法は次のようになります。

■所得税の控除額
(寄付金額-2000円)×所得税の税率

■住民税の控除額(①と②の合計)
①基本分:(寄附金の額-2,000円)×10%
②特例分:(寄附金の額-2,000円)×(90%-所得税の税率)
※②の金額が住民税所得割額(税額)の20%を超えると、実質負担額が2000円を上回ってしまいます
※実際の控除上限額はこちらのサイトでシミュレーションできます
https://www.furusato-tax.jp/about/simulation

なお、ふるさと納税の寄付金は、所得や家族構成によって上限が定められています。詳しくは総務省ホームページをご覧ください。

いつ、どのように手続すればいい?ふるさと納税の流れ

ふるさと納税による税控除を受けるには、ふるさと納税を行った翌年に確定申告をする必要がありますが、もともと確定申告をする必要のない給与所得者(会社員や公務員)で、ふるさと納税先の自治体数が5団体以内である人を対象とする「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用すれば、確定申告を行わなくても寄付金控除を受けられます(5団体以内であれば同じ自治体に何度寄付してもOKです)。

なお、ふるさと納税の申し込みは1月1日から12月31日まで年間を通じていつでも行うことができますが、その年の控除対象となるふるさと納税は、受領証明書に記載されている受領日(入金日)が12月31日までのもののみ。また、給与所得者は源泉徴収票を見ながら手続きすると所得が分かりやすいため、申し込みが12月に集中しやすい傾向にあります。

ふるさと納税の手続きの流れは、次のようになります。

1. 寄付したい自治体と返礼品を決める
各自治体の公報ホームページ、あるいは「ふるさとチョイス」「さとふる」などのふるさと納税ポータルサイトを参考に、寄付したい自治体と欲しい返礼品を探します。

2. 自治体に寄付を申し込む
ふるさと納税の申込は大きく分けて2パターン。ふるさと納税ポータルサイトのフォームから申し込む方法と、自治体へ寄付申出書を直接提出する方法があります。ポータルサイトからだと書類取り寄せなどの手間が省けるため、忙しい方にはオススメです。

3. 返礼品と寄付金受領証明書を受け取る
自治体から送られる返礼品に同封、あるいは寄付から1~2ヵ月後に別途発送という形で、寄付金の領収書「寄付金受領証明書」が届きます。ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用せず確定申告を行う際に必要となる書類なので、大切に保管しましょう。

4. 確定申告を行う/ふるさと納税ワンストップ特例を申請
ふるさと納税を行った翌年3月15日までに、寄付を証明する受領証明書を添付し、住所地の所轄の税務署に確定申告を行います。ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用する場合も、総務省や各自治体のサイトから申請書をダウンロードして(受領証明書と一緒に届く場合もあり)必要事項を記入し、マイナンバーカードのコピーなど各種書類と共に自治体へ送付する必要があります(翌年1月10日必着)。

5. 所得税と住民税の控除を受ける
確定申告を行った場合は、ふるさと納税を行った年の所得税から控除され、さらに翌年度分の住民税が減額される形で控除されます。ちなみに、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用した場合は所得税から控除されず、その分も含めた控除額の全額が住民税から減額という形で控除されます。

SDGsで考える、ふるさと納税の寄付先の選び方

SDGs(持続可能な開発目標)への関心が年々高まる中、政府や企業だけでなく地方自治体でもSDGs推進の取り組みは浸透しつつあります。「寄付金で自治体を応援する」という制度の趣旨をより追求するべく、未来の地球のために頑張っている自治体へふるさと納税を行い、間接的にSDGsに貢献してみませんか?

▼SDGsについてはこちらの記事をお読みください

①寄付金の使い道(自治体の取り組み)を自分で選ぶ

ふるさと納税の寄付金の使い道は、地方自治体が自由に決めることが可能。基本的には各自治体のホームページで「寄付金をどのように使うか」が説明されていて、自治体によっては申込者が返礼品を選ぶときに併せて、複数の選択肢から寄付金の使い道を選べるようになっています。

■北海道下川町「未来の人と自然へ繋ぐしもかわチャレンジ2030」
【主なSDGs目標】

下川町での森林事業の様子(画像提供:株式会社さとふる)

森林面積が町の88%を占め、伐採・植林・育成まで60年サイクルで繰り返す循環型森林経営を行っている北海道下川町では、町の森林づくり寄付条例に基づいて毎年一定額を森林づくりに活用する「森林(もり)づくり事業」に寄付金を使用。また、多くの地域が抱える少子高齢化や環境・エネルギーなどの課題をいち早く解決するモデルを目指す「SDGs未来都市しもかわ推進事業」にも使われます。

■熊本県小国町「環境にやさしい持続可能なまちづくり」
【主なSDGs目標】

小国町は町の総面積の78%を森林が占め、温泉郷も山々に囲まれている(画像提供:株式会社さとふる)

自然豊かな熊本県小国町は豊富な地熱資源に恵まれ、岳の湯・杖立地区にはたくさんの温泉観光施設が存在。さらに、国から「環境モデル都市」「SDGs未来都市」の選定を受けています。そんな小国町へのふるさと納税の寄付金用途として「環境にやさしい持続可能なまちづくり」を選ぶことが可能。林業担い手育成事業など地熱とバイオマスを活かした農林業タウン構想の実現のために寄付金が活用されます。

②SDGs関連の返礼品を選ぶ

ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」によると、SDGs関連キーワードを含むお礼品登録数が、2019年度から2020年度にかけて約10倍に増加したそうです(※)。その多くは、環境に配慮して作られたお礼品や、廃棄物を再利用したものです。
※さとふる「ふるさと納税で応援!SDGs特集」

■アップサイクルな返礼品:山梨県都留市「エコな羽毛」3WAY 寝袋クッション
【主なSDGs目標】

ファスナーを閉めると封筒型の寝袋に、全開にして広げるとシングルサイズのダウンケットになる(画像提供:株式会社さとふる)

山梨県都留市では、要らなくなった羽毛布団を回収し、富士山系の天然水を使って地元の工場で清潔に洗い上げた「アップサイクルダウン」を用いた3WAY寝袋クッションを返礼品として用意。寝袋・クッション・ダウンケットと3通りの使い方ができるリバーシブル仕立ての寝袋で、車中泊やアウトドアに活用できます。

■岩手県宮古市「Re帆バック」
【主なSDGs目標】

クルーザーヨットの帆を原料としたバックで、耐久性・防水性に優れている(画像提供:株式会社さとふる)

岩手県宮古市のいわてマリンフィールドでは、宮古湾の清掃活動や子どもたちに海を通じた教育を提供するなど、SDGsに通じる取り組みを行っています。宮古市が用意している返礼品の「Re帆バック(リホバック)」は、東日本大震災の津波で流されて廃棄処分になったクルーザーヨットのセール(帆)をリサイクルして作られたもの。「やむなく乗れなくなったクルーザーヨットを何かに再利用して残したい」という思いから、手作りで生み出されている一点ものです。

■福岡県東峰村「【エコマーク認証】大自然の恵み 熊谷さんちの甘くて美味しい大玉トマト(4kg)」
【主なSDGs目標】

出荷シーズン前から問い合わせがあるほどファンも多い大玉トマト(画像提供:株式会社さとふる)

福岡県東峰村の返礼品である大玉トマトは、栽培期間中はできるだけ農薬を減らし、農薬使用量が県の定める基準の半分以下の数値になるよう自然環境にも配慮をしながら作られ、県が認証する「エコマーク」の認定を受けたもの。夏場でも寒暖差があり、標高700mの自然豊かな山間にある東峰村の気候を活かしているため、甘み・旨味・酸味ともにバランスが取れているのが特長です。

ふるさと納税というとバラエティ豊かな返礼品にまず目が行きがちですが、せっかくお金を寄付するのであれば、地域の環境に関する取り組みに注力している自治体など、自分が納得・共感できるところを選びたいですよね。寄付先を選ぶ際は使い道も併せてチェックし、皆さんの想いをふるさと納税という形でダイレクトに届けて応援してはいかがでしょうか。

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