
熱中症対策は夏が来る前から始めよう!暑さに負けない体をつくる「暑熱順化」のススメ
ライフスタイル
目次[非表示]
※この記事2019年5月公開の記事を主に統計データ箇所を再編集・再公開しています
GW前後から気温が安定し、運動すれば少し汗ばむ程度のちょうどいい陽気が続いていますね。
そんな1年の間で特に過ごしやすい季節にこそ、ぜひ行っておきたい取り組みがあります。
それは「暑熱順化」です。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、「暑熱順化」とは暑熱(暑さ)に体を徐々に慣れさせること。つまり、暑さに対抗できて熱中症に負けない体をつくることです。
日本気象協会によると、日本の春(3~5月)の平均気温の上昇割合は100年あたり1.53℃と、夏(6〜8月)の1.16℃よりも大きく、夏になる前からの熱中症対策が重要とのこと。
※日本気象協会「気温上昇に適応するためには暑くなる前からの熱中症対策が大切! 「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線(第1回)」を公開
そこで今回は、熱中症対策として今のうちから家族みんなで行っておきたい「暑熱順化」について、ノザキクリニック院長の野崎豊先生による解説でご紹介します。
そんな1年の間で特に過ごしやすい季節にこそ、ぜひ行っておきたい取り組みがあります。
それは「暑熱順化」です。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、「暑熱順化」とは暑熱(暑さ)に体を徐々に慣れさせること。つまり、暑さに対抗できて熱中症に負けない体をつくることです。
日本気象協会によると、日本の春(3~5月)の平均気温の上昇割合は100年あたり1.53℃と、夏(6〜8月)の1.16℃よりも大きく、夏になる前からの熱中症対策が重要とのこと。
※日本気象協会「気温上昇に適応するためには暑くなる前からの熱中症対策が大切! 「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線(第1回)」を公開
そこで今回は、熱中症対策として今のうちから家族みんなで行っておきたい「暑熱順化」について、ノザキクリニック院長の野崎豊先生による解説でご紹介します。
熱中症が起きるのは、体が暑さに順応できないから
「暑熱順化」の方法を紹介する前に、熱中症が起きる仕組みについて改めて説明しておきましょう。
人間の体には体温調整機能が働いていて、通常、体内で発生した熱は血液によって皮膚に集められ、汗と共に体外に放出されます。
しかし、気温や湿度が高くなりすぎるとこの体温調整機能が破綻。汗と一緒に体内の水分やミネラルが失われることで、血液がドロドロ状態になって血液の流れが悪くなり、熱を体の外に逃がすことができなくなるのです。
そして体内に熱がこもって体温上昇、めまい、だるさ、ひどい時にはけいれんや意識障害、そして最悪の場合は死に至ることも…。
体温調整機能が未発達な乳幼児、体温調節や発汗機能が低下している高齢者は、特に熱中症への注意が必要となります。
人間の体には体温調整機能が働いていて、通常、体内で発生した熱は血液によって皮膚に集められ、汗と共に体外に放出されます。
しかし、気温や湿度が高くなりすぎるとこの体温調整機能が破綻。汗と一緒に体内の水分やミネラルが失われることで、血液がドロドロ状態になって血液の流れが悪くなり、熱を体の外に逃がすことができなくなるのです。
そして体内に熱がこもって体温上昇、めまい、だるさ、ひどい時にはけいれんや意識障害、そして最悪の場合は死に至ることも…。
体温調整機能が未発達な乳幼児、体温調節や発汗機能が低下している高齢者は、特に熱中症への注意が必要となります。
では、冷夏や日中以外の時間帯なら安心かというと、そうでもありません。
冷夏の時には暑熱順化がうまく行われないため、例えば気温が急上昇した場合は温度差にうまく対応できず、猛暑でなくても熱中症になるリスクがあります。
冷夏の時には暑熱順化がうまく行われないため、例えば気温が急上昇した場合は温度差にうまく対応できず、猛暑でなくても熱中症になるリスクがあります。
また、最近の住宅は気密性が高いことから日中の日差しによる熱が蓄えられ、夜に放射熱となって室内に流れ込み、夜間熱中症が発生しやすくなります。
令和2年の熱中症死亡者数をみると、屋内での志望者数の方が多くなっています。
※東京都福祉保健局 令和2年夏の熱中症死亡者の状況【東京都23区(速報値)/[参考]多摩島しょ地域(速報値)】
令和2年の熱中症死亡者数をみると、屋内での志望者数の方が多くなっています。
※東京都福祉保健局 令和2年夏の熱中症死亡者の状況【東京都23区(速報値)/[参考]多摩島しょ地域(速報値)】
誰でも手軽に実践できる「暑熱順化」の方法
そんな熱中症に負けない体をつくるために必要となるのが「暑熱順化」ですが、暑熱順化が熱中症の予防につながる仕組みについても説明しましょう。
・低い体温でも多量の汗をかくことができる
・汗中ミネラル濃度を低くすることで、多量発汗時にもミネラルの損失を軽減できる
・血しょう(血液中の液体成分)を増やすことで皮膚血流が増える
・汗中ミネラル濃度を低くすることで、多量発汗時にもミネラルの損失を軽減できる
・血しょう(血液中の液体成分)を増やすことで皮膚血流が増える
先ほど「体内の熱は汗をかいたり皮膚の血流を増やすことによって体外に放出される」と説明しましたが、暑熱順化が成立すると汗をかきやすくなり皮膚血流も増え、体温の急激な上昇を防ぐことができます。
また、体内の水分バランスを保つために不可欠なミネラルも排出されにくくなるため、水分バランスが崩れにくくなるのです。
では、具体的にどうやって暑熱順化を行えばいいのか? 実は次のように、普段の生活を少し変えるだけで、比較的手軽に行えるのです。
なお、暑熱順化が成立するには数週間程度必要となるので、暑さが本格化する前の春先から行うことをオススメします。
また、体内の水分バランスを保つために不可欠なミネラルも排出されにくくなるため、水分バランスが崩れにくくなるのです。
では、具体的にどうやって暑熱順化を行えばいいのか? 実は次のように、普段の生活を少し変えるだけで、比較的手軽に行えるのです。
なお、暑熱順化が成立するには数週間程度必要となるので、暑さが本格化する前の春先から行うことをオススメします。
運動で汗をかく
「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度の運動を毎日30分程度継続して行います。暑さに体を慣らして汗をかくことが目的なので、ウォーキングやジョギングなどの軽い運動で構いません。
入浴で汗をかく
シャワーだけでなく40℃程度の湯船に10分程度しっかり浸かり、深部体温を約1℃上げることで発汗します。汗をかきすぎると脱水症につながるので、額にうっすら汗をかく程度にとどめましょう。
冷房に頼らない生活を心がける
冷房の効いた部屋ばかりで過ごして汗をかかずにいると、体温調整機能が十分に発揮されなくなります。
暑いと感じてもまずは衣類で調整したり、冷房をつける場合も設定温度を高めにし、また朝夕は室内に外気を取り入れるなど、冷房に依存しすぎない工夫を通じて少しずつ体を暑さに慣れさせましょう。
暑いと感じてもまずは衣類で調整したり、冷房をつける場合も設定温度を高めにし、また朝夕は室内に外気を取り入れるなど、冷房に依存しすぎない工夫を通じて少しずつ体を暑さに慣れさせましょう。