男性の育休が当たり前の社会に──育休取得推進企業に訊く 第3回「日本生命保険相互会社」

男性の育休が当たり前の社会に──育休取得推進企業に訊く 第3回「日本生命保険相互会社」

育休

目次[非表示]

  1. 育休推進は男女ともに活躍できる風土を作るための改革
  2. 育休によってマネジメントの視点が変わった
男性の育休取得推進に積極的な企業を取材し、“男性の育休が当たり前”の社会になっていくためのヒントを探っていく連載企画。

第3回でご紹介する企業は、2013年に「男性従業員の育休取得率100%」という目標を掲げ、同年から6年連続で100%を達成している日本生命。まずは、従業員数73260名のうち約9割が女性(※)という同社が男性従業員の育休取得を推進した背景や具体的な取り組みを、育休制度の担当者でもある人材開発部輝き推進室副主任の眞砂 捷さんに伺います。

※2019年3月末時点

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日本生命保険相互会社
人材開発部 輝き推進室 副主任 眞砂 捷さん
(撮影:開發/家men編集部)

育休推進は男女ともに活躍できる風土を作るための改革

──2013年に「男性従業員の育休取得率100%」という目標を掲げるにあたって、どのような思いがあったのか教えてください。


当社は女性9割の会社ということもあり、ダイバーシティ推進についても女性活躍からスタートしました。現在では、「ダイバーシティ推進方針」のもと、女性に限らず、多様な人材の多彩な活躍を目指して様々な取組を進めています。女性活躍推進においては、仕事と育児を両立できる環境を整え、中長期的なキャリア形成支援を行ってきました。その後、女性本人に働きかけるだけでは限界を感じ、男性や管理職(イクボス)の意識改革が必要と考え、「男性育休取得率100%」を目標に掲げました。


──その目標を掲げた初年度からいきなり取得率100%を実現できたわけですが、目標達成のために徹底した取り組みなどはありましたか?

目標を掲げた当時は、世の中でも男性育休が浸透しておらず、社内にも驚きや戸惑いがあったと聞いています。当社では、まず、経営層が「100%を実現することが、風土を変える」という明確なメッセージを発信し、全従業員へ男性育休の意義を浸透させることから始めました。
また、育休を含めた年間休暇予定を年初に人事部門に報告する仕組みを作り、休業中の業務引継やサポート体制を計画的に実施できるよう管理職がサポート。さらに、比較的育休を取得しづらい営業現場の取得事例を社内へ発信し、「現場であっても育休取得は決して不可能ではない」とさらなる意識・行動改革も図りました。


──男性従業員の育休取得期間は平均でどれぐらいですか

当社では、現実的に取得しやすい期間として「1週間」を推奨し、最初の7日間を有給扱いとしていることもあり、平均取得期間は約1週間です。しかし、最近では、3~4カ月取得する従業員も出てきました。


──制度を推進する側として、もっと男性従業員に長期間の育休を取得してほしいという思いはありますか?

会社として重きを置いているのは、育休期間の長短ではなく、すべての男性従業員が育休を取得すること。育休を通じて家事育児に参画する意識が変われば、「早く仕事を切り上げて帰ろう」「朝早起きして家事をやろう」など日々の生活や働き方もおのずと変わってくるものです。そうした働き方改革につながる変化がすべての男性従業員に及ぶことを、育休取得率100%の価値として定めています。

(撮影:開發/家men編集部)

──男性従業員の育休推進に対して、社内の反応はいかがでしょうか。

育休を取得した多くの従業員が「また子どもが生まれたら育休を取りたい」という意識に変化し、家事育児への参画意識も高まったことがアンケートから明らかとなりました。そして早く帰宅できるように、業務効率を改善したり、部下や後輩の育成をより深く考えたりなど、職場における変化も生まれています。さらに管理職からは「ワークライフバランスを尊重するようになった」「育休を取得するようになって助け合い精神がうまれ、組織の強化に繋がった」という声も多く寄せられています。


──今後の取り組みについて目標はありますか?

これからも「男性従業員の育休取得率100%」を継続することによって、家事育児への参画意識の高まりや、女性の活躍推進への理解をより深めていくことが今後の目標です。そして、育児や介護などと仕事を両立をする従業員を職場全体で支援できるような“お互い様意識”がさらに醸成されていくことが理想です。また新たな取り組みとして、パパ料理研究家の滝村雅晴さんを講師に招いた社内セミナーを実施するなど、男性従業員の家事育児への参画をいろいろな形でサポートしていく予定です。
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