
家事育児をしているのにパートナーが満足しない理由は?「脱・やったつもり」のススメ
家事分担
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共働き世帯か専業主婦世帯か問わず、パートナーに負担が偏らないよう日ごろから積極的に家事育児を担当しているパパは多いことでしょう。でもそれなのに、妻から「助かった」「嬉しい」といったポジティブなリアクションが得られず、「完璧にやったのに」「こんなに頑張ってるのに」とモヤモヤしたことはありませんか?
もちろん、家事育児は“家族の誰かがやらなきゃいけない=やって当たり前”のことなので、やったからといって毎回必ず感謝されるとは限りません。あるいは、家事育児のクオリティに満足していない可能性も考えられます。そしてもう一つ、パートナーが満足しない原因として考えられること。それは、家事育児の行動範囲や達成度合いにおいて「やったつもり」で終わっているケースです。
もちろん、家事育児は“家族の誰かがやらなきゃいけない=やって当たり前”のことなので、やったからといって毎回必ず感謝されるとは限りません。あるいは、家事育児のクオリティに満足していない可能性も考えられます。そしてもう一つ、パートナーが満足しない原因として考えられること。それは、家事育児の行動範囲や達成度合いにおいて「やったつもり」で終わっているケースです。
妻の「お膳立て」に気づかず夫が「全部自分でやったつもり」になっている?
Twitterやブログで育児漫画やエッセイを発表している「パパ頭」さんが、次のような育休エピソードを発信したところ、SNSで大きな話題を集めました。
日々のつぶやき。
— パパ頭 (@nonnyakonyako) August 8, 2020
育休最初の日(1/2) pic.twitter.com/IJ40kwjSfl
普段からすすんで家事育児を行い、また自分では「うまくやれている」と自信を持っていたパパ頭さん。しかし、育休期間中に上の子の面倒を一人だけで見ることになり、これまで実は気づかない所で妻に「お膳立て」してもらっていたからうまくやれていたことに気づいたそうです。
こうした気づきは、目の前のエンドレスな家事育児に追われているとなかなか思い至らないもの。しかし、もしこのエピソードのように気づかない所でパートナーに「お膳立て」してもらっていたとしたら、家事育児を積極的にやっていてもあまり評価されないのも分からなくはありません。
パパが子どもにご飯を食べさせている間に、ママが食器を出し下げしたりお茶をくむ。ママが子どもに「パパとお風呂入る?」と言ってその気にさせ、父子の入浴中にタオルや着替えを出しておく。こうした「お膳立て」は、行動自体はもちろんのこと、常に様子を見ながらフォロー態勢をキープするのもけっこうな負担。これでは「家事育児を任せている」という気分になれず、パートナーにとって十分な満足を得られないのも無理はないかも…。
こうした気づきは、目の前のエンドレスな家事育児に追われているとなかなか思い至らないもの。しかし、もしこのエピソードのように気づかない所でパートナーに「お膳立て」してもらっていたとしたら、家事育児を積極的にやっていてもあまり評価されないのも分からなくはありません。
パパが子どもにご飯を食べさせている間に、ママが食器を出し下げしたりお茶をくむ。ママが子どもに「パパとお風呂入る?」と言ってその気にさせ、父子の入浴中にタオルや着替えを出しておく。こうした「お膳立て」は、行動自体はもちろんのこと、常に様子を見ながらフォロー態勢をキープするのもけっこうな負担。これでは「家事育児を任せている」という気分になれず、パートナーにとって十分な満足を得られないのも無理はないかも…。
「やったつもり」の原因はパートナーとの認識のズレ!「見えない家事」を可視化するには?
ピジョン株式会社が1歳未満の子を持つ共働き夫婦に行った調査(※)によると、パートナーが行う家事育児の前後工程のタスクで「認識のズレを感じることがある」という方が約6割もいることが判明。実際にズレを感じた家事のトップ3は「掃除(53.9%)」「食事(51.6%)」「お風呂(32.3%)」、育児のトップ3は「子どもの寝かしつけ(45.3%)」「子どものお風呂(39.9%)」「子どものおむつ替え(32.1%)」。具体的な認識のズレとして、「食後、食器を洗うだけでなくテーブルまで拭いてほしい」「子どもの服を脱がせるところからスキンケアをして着替えさせるまでしてほしい」という声が挙がっていました。
※ピジョン株式会社「イマドキ夫婦の課題が明らかに!?6割の夫婦が感じている「ズレ家事・ズレ育児」とは?」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000051297.html
※ピジョン株式会社「イマドキ夫婦の課題が明らかに!?6割の夫婦が感じている「ズレ家事・ズレ育児」とは?」
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結婚するまで実家であまり家事をしていなかった人(あるいは一人暮らしで最小限の家事で済ませていた人)にとって、いざ夫婦で家事を分担しても、「料理=ご飯を炊いておかずを作る」「床掃除=掃除機をかける」「風呂掃除=浴槽を洗う」「ゴミ捨て=ゴミ袋をゴミ捨て場に出す」など、各家事を部分的にしか認識できないかもしれません。
しかし、掃除なら掃除機のフィルター掃除や紙パックの交換、ゴミ捨てなら家じゅうのゴミを1袋に集めて新しいゴミ袋をセッティングというふうに、1つの家事にはいくつもの「見えない家事」「名もなき家事」が付随します。そして、そうした細々としたタスクをフォローしてもらわず自力ですべてクリアして初めて、パートナーにとっての「料理をした」「ゴミ捨てをした」という認識との一致を果たせるのです。
パートナーと認識がどこまでズレているか分からない、あるいは各家事に付随する「見えない家事」「名もなき家事」が分からない場合は、話し合いの場を設けて「この家事はどこからどこまでやれば完了なの?」と確認してみるのが第一。そんなこと今さら聞けない…という方は、パートナーが担当している時の一連の動きを観察するといいでしょう。
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しかし、掃除なら掃除機のフィルター掃除や紙パックの交換、ゴミ捨てなら家じゅうのゴミを1袋に集めて新しいゴミ袋をセッティングというふうに、1つの家事にはいくつもの「見えない家事」「名もなき家事」が付随します。そして、そうした細々としたタスクをフォローしてもらわず自力ですべてクリアして初めて、パートナーにとっての「料理をした」「ゴミ捨てをした」という認識との一致を果たせるのです。
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あるいは、家事ごとの全体像を一度俯瞰し、何をすればいいか想像力を働かせるのもオススメ。そのコツは“因数分解”。例えば料理であれば、「ご飯やおかずを作って家族に食べさせる」というコアのタスクを多方面から検証することで、(全部ではありませんが)次のような工程に因数分解できます。
●何を作るか考える
●レシピに必要な食材や調味料を準備
●食材や調味料を使って料理する
●食卓に料理を出す
●食べ終わる
こうして細かく因数分解すれば、それぞれに付随する細かいタスク=「見えない家事」が見えてきて、1つの家事を達成するには何をすればいいか想像しやすくなります。
●何を作るか考える=献立づくり
●レシピに必要な食材や調味料を準備=①ストックがなければ買い出し ②買った物を冷蔵庫やパントリーにしまう
●食材や調味料を使う=使って減ったぶんのストックを補充
●食卓に料理を出す=①テーブルを拭く ②食器を並べる
●食べ終わる=①余った料理はタッパーに入れて冷蔵・冷凍保存 ②食器をシンクに運んで洗う ③テーブルを拭く ④食器が乾いたら棚に戻す ⑤必要に応じて台所用品をお手入れ(例:まな板の漂白・除菌)
●何を作るか考える
●レシピに必要な食材や調味料を準備
●食材や調味料を使って料理する
●食卓に料理を出す
●食べ終わる
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●何を作るか考える=献立づくり
●レシピに必要な食材や調味料を準備=①ストックがなければ買い出し ②買った物を冷蔵庫やパントリーにしまう
●食材や調味料を使う=使って減ったぶんのストックを補充
●食卓に料理を出す=①テーブルを拭く ②食器を並べる
●食べ終わる=①余った料理はタッパーに入れて冷蔵・冷凍保存 ②食器をシンクに運んで洗う ③テーブルを拭く ④食器が乾いたら棚に戻す ⑤必要に応じて台所用品をお手入れ(例:まな板の漂白・除菌)
「マイナスをゼロにする家事」を忘れてませんか?
家事の「やったつもり」解消策として提案した“因数分解”は、言ってみればミクロな視点。もう一つ頭に入れておきたいのが、家事には「マイナスをゼロにする家事」と「プラスを作る家事」があるというマクロな視点です。
家事シェア研究家の三木智有さんによると、散らかった部屋・汚れた服・使った食器など「マイナスになった状態」を「ゼロに戻していく」、つまり元通りにする作業が家事の約80%を占めるそうです。それに対して、料理を作ったりDIYなどで模様替えをするなど「プラスを作る(クリエイトする)家事」は全体の約20%程度なのだとか(※)。そういえば、先ほど挙げた「名もなき家事」も、よくよく考えると大多数が「マイナスをゼロにする家事」ですね。
※「家事が苦手なパパでも大丈夫!今すぐ使える3つの家事シェア術とは」
https://ie-men.jp/couple/kajishare/104
日々会社で生産的な仕事に携わっているパパにとって、家事をワークとして考えると「プラスを作る家事」につい目が行き、そのタスク完了をもって「家事をやった」と満足するかもしれません。でも、料理を作ればキッチンは散らかるしシンクも汚れますよね。つまり、「プラスを作る家事」をした後には、新たなマイナス=やるべき家事が発生しているのです。
そうしたマイナスをゼロに戻すことによって初めて、次回以降の「プラスを作る家事」のスタートラインに立つことができる──。この意識を得ることができれば、散らかったキッチンを片付けたり、シンクの三角コーナーやゴミ受け皿にたまったゴミを捨てなければいけないことに気づき、家事の達成率が100%へと近づけるはずです。
家事シェア研究家の三木智有さんによると、散らかった部屋・汚れた服・使った食器など「マイナスになった状態」を「ゼロに戻していく」、つまり元通りにする作業が家事の約80%を占めるそうです。それに対して、料理を作ったりDIYなどで模様替えをするなど「プラスを作る(クリエイトする)家事」は全体の約20%程度なのだとか(※)。そういえば、先ほど挙げた「名もなき家事」も、よくよく考えると大多数が「マイナスをゼロにする家事」ですね。
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「見えない家事」「名もなき家事」は、自分以外に家族が誰も気づかずやってくれない場合、負担やイライラの原因になりがち。普段自分が担当している家事において、そうしたパートナーのサポートに気づかず「やったつもり」になっていないか、一度振り返ってみてください。1つの家事に付随するひと通りのタスクを完遂できれば、きっとパートナーの気持ちも満足へと変わっていくはずです。
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